365日が日本の風土に根ざした店である理由
365日
それしか生き残る道がないからです。
お菓子屋さんにしてもそうですが、昔に比べて売れなくなっています。それはなぜかというと、昔はコンビニと個人店が違う材料を使っていました。個人店のほうがいい材料で。でも今はそれが逆転してコンビニのほうがいい材料を使ってます。
この社会に出ていく前に学生がしておくべき準備とは
―― そんなに極端に言っちゃっていいんですか。
既製の同じ材料で作ったら大量生産している方に必ず負けます。絶対に勝てない。デュヌラルテ時代に考えたのは、絶対に大手が真似できないものをつくろうということでした。すると素材はみんな手作りになるんです。
ドライリンゴとかもうちは手作りしているんです。市販のものは酸化防止剤だとか一杯入っている。体にいいか悪いかではなくて、おいしくないんです。はっきりいって、添加物が入っているものはおいしくない。
この時代を生き残る術とは
これから、皆、就職して働くでしょう。自分の少ない経験で自分のフィルター通してだけ、ものを見ていると、間違うことがあると思うんだけど、世間の人たち、特にお菓子屋さんとか個人店のパン屋さんに買いにくる人っていうのは、そこそこ裕福な人たちなんだよね。裕福な人たちはいろんなものを食べているからね、フランス料理を食べたり、京都の料亭に行ったりしているの。その人たちが添加物の味で満足するわけないからね。それだったらコンビニの方がいいってコンビニで買うからね。
―― 365日ではすべての商品に産地が書いてありますね。地域の生産者とのつながりを大切にしたり、国産小麦を使うというのは杉窪さんにとってあたりまえのことなんですね。
―― 365日ではすべての商品に産地が書いてありますね。地域の生産者とのつながりを大切にしたり、国産小麦を使うというのは杉窪さんにとってあたりまえのことなんですね。
国産小麦は今は質もよくなっているので使います。最大の特徴は香りと味で、それを生かしたパンをつくります。今は、外国産の小麦でつくっていたパンが国産小麦でつくれるようになりました、という時代。せっかくいい小麦があるのだから、国産で日本のオリジナルのパンをつくろうというのがこれからの時代の流れです。
365日の食の積みかさねが人の心と身体をつくる