快適さを生み出す重要な建具。窓プランと同時に検討を
換気や通風を確保しつつ、虫が室内に侵入しないように用いる網戸。窓や扉(玄関・勝手口)などに設置する、大切な建具のひとつです。新築やリフォームでは、窓サッシをプランニングする際に、適する網戸を設計担当者等が提案してくれるケースがほとんどでしょう。あまりこだわらない方も多いかもしれませんが、日々使用し、目にするアイテムだけに、防虫性はもちろん、使い勝手や眺望性などにも配慮したいもの。最近では、さまざまなタイプの網戸が提案されているので、窓プランと同時に、使い勝手や性能を確認しておくことが大切です。ショールームでは、実際に開閉するなど、操作性をチェックしておくようにしましょう。
糸の径が細くネットが見えにくいため、景色がクリアに。開放感と通風量も高まるとともに、網目の交差部の隙間がないため、掃除もしやすい。 [クリアネット眺望イメージ] YKK AP
アルミ枠とポリプロピレン製などの網(メッシュ)で構成
住宅の窓に用いられる網戸の枠の素材は、窓サッシと同様にアルミ形材が一般的。枠のカラーバリエーションは、メーカーや商品によって異なりますが、窓サッシに合わせることができるように、ホワイト、シルバー、ステンカラー、ブロンズ、ブラックなどが揃っています。網(メッシュ)は、ポリプロピレンやポリエステルや、グラスファイバー(ガラス繊維)など。ステンレスの商品もみられます。ポリエステルは、ポリプロピレンに比べ強度や弾力性があるため、ペットなどのひっかきなどに強い素材。グラスファイバーは、熱に強いのが特徴でしょう。色は、ブラックやグレーが揃っています。
網は、1インチ当たりの網目の数(18、20、30など)で表示され、数字が大きいものほど網目が細かく、防虫効果が高いということになります。
屋外側に設置するタイプと室内側に設置するタイプがある
網戸は、さまざまなタイプに分けることができますが、設置する場所で分類すると、屋外側に設置するタイプと室内側に設置するタイプがあります。馴染のあるのは屋外に設けるタイプですが、窓の開閉方法やスタイルによって、設置する場所が異なります。たとえば、引き違いや片引き窓であれば屋外側に、滑り出し窓やジャロジー窓の場合は、室内側に設置するタイプとなるでしょう。操作方法や形状でもさまざまなタイプが揃う
操作方法や形状では、メーカーごとに呼び方が異なるケースもありますが、引き戸タイプや上げ下げタイプ、横引きタイプ、固定タイプなどがあります。その他、一般的なパネル状のものだけでなく、ロール状やプリーツ状のタイプもみられます。■引き戸(横スライド)タイプ
屋外側に設置する、一般的な引き戸(横にスライドさせる)タイプの網戸。引き違い窓などに用いられる、最も身近なパネル状の網戸です。選ぶ際には、脱輪防止の工夫などもチェックしておきたいポイントでしょう。
■上げ下げ(縦スライド)タイプ
パネル状の網戸を上下に操作する上げ下げ窓用の網戸です。
■上げ下げロールタイプ
室内側に設置するタイプ。ボールチェーンなどを引くことで開閉し、使用しない季節は、上部に収納可能です。
■横引きタイプ
室内側に設置する、横引きのロールタイプやプリーツ(アコーディオン)タイプ。いずれも着脱は簡単で、掃除やメンテナンスがしやすい工夫が施されています。ガイドレールなどによって、防虫効果を高めたタイプもみられます。
■内開きタイプ
室内側に設置し、内側に開くパネル状のタイプ。
■固定タイプ
主に内側に固定するタイプ(内倒し窓の場合は、屋外に設置)。外開きや突き出し、ジャロジー(ルーバー)窓など、さまざまな窓タイプに用いられます。取り外しも簡単なので掃除やメンテナンスもしやすいでしょう。
外の景色を楽しみ、掃除もしやすく。花粉やホコリも防ぐ
網戸の最近の傾向のひとつには、虫の侵入を防ぐことがもちろんですが、眺望性が高められていることが挙げられるでしょう。外の景色を楽しみつつ、小さな虫も防ぐことができるように、細い糸を用いた網を使用するなど、各社工夫を凝らしたタイプが提案されています。同時に、通風性を高めたタイプも多くみられるようになりました。また、掃除やメンテナンスのしやすさなどにも配慮したタイプもみられます。たとえば、糸と糸の交差部を融着する技術になどにより、ホコリがすき間に入りにくい、お手入れのしやすい商品など。その他、高密度の網によって、花粉を通さないタイプも提案されています。通気性を保ちながら花粉やほこりをカットすることができるものです。
網戸とブラインドの機能を併せ持つ商品なども
通常の網戸とは異なりますが、網戸の機能だけでなく、ブラインドの機能を併せ持つ商品も。スラットを開くと網戸となり、閉じると視線や日射を遮るブラインドとなるため、季節や時間を問わずさまざまな使い方が可能です。必要に応じて目隠ししながら、通風や採光を得ることができるため、外からの視線が気になる場合などに適するでしょう。また、防犯性を持つ面格子に防虫ネットを組み合わせた商品などもみられます。窓の網戸を検討する場合は、網戸単体で考えるのではなく、窓サッシの開閉方法や配置などはもちろん、カーテンやブラインドなどの窓装飾、設置する空間の使用方法などを考慮して、トータルにプランニングすることもポイントでしょう。
玄関や勝手口に設ける網戸も揃う
戸先に隙間ができないマグネットを使用。衝撃や強風にも強い。玄関(ドア・引戸)、勝手口、バルコニードアなど、さまざまな出入り口に取付け可能。[しまえるんですα(単品) 親子用(引分け) 商品色:ナチュラルシルバー] LIXIL
窓と同様に、パネルタイプの片引きや両引きタイプ、中折れ式などがありますが、下にレールを設けた横引きのロールタイプやプリーツ加工(アコーディオンタイプ)などもみられます。中折れ式は、網(メッシュ)部分に、アルミパンチングメタルやスチールメッシュなどを用いたタイプもあります。ロールタイプやプリーツ加工タイプは、使用しない時はすっきりと納めることが可能なのが特徴。取り外しできるタイプであれば、お手入れもしやすく、冬場は物置などにしまっておくこともできるでしょう。
下レールの段差を抑えタイプは、ベビーカーや車椅子などでも使いやすいもの。扉の開閉方法や形状、スペースの有無などに合わせて選ぶようにしましょう。
網戸は、ホームセンターやネットショップなどでも購入し、DIYで設置できる商品もみられます。購入する際には、開口部のサイズはもちろん、取り付け方法やメンテナンス方法など、充分に確認した上で選ぶことが大切です。
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