怪しい街頭募金活動の見極め方……3つのタイプとは
私の貴重なお金をより信頼できるところに寄付したいけれど……
ターミナル駅などでよく見かける募金活動。
「なんか怪しくない?」
と思うことは、ありませんか?
数百円くらいならと協力しそうになりつつも、
「これ、どうなんだろう? 本当に目的通りに使われるのだろうか……」
と不安になったこともあるのではないでしょうか?
そもそも、街頭募金活動を注意深く見ていると、大きく3つのタイプに分けられるような気がします。
活動実績が明確な既存の団体なら、まず大丈夫
1つめは既存の団体や活動の募金活動です。たとえば、あしなが育英会、赤い羽根募金、歳末助け合い運動、社会鍋や、活動実績のある団体による緊急支援の呼びかけなどがあげられます。誰でも知っている団体であったり、季節の風物詩的に浸透している活動であったりすることも少なくありません。歴史もあり、使途も明確にされており、後にサイトなどで活動報告が掲載されたりしますので、こういった募金であれば安心して協力できます。
具体的な情報がない募金活動は協力する必要ナシ
2つめは活動実体が掴めない募金活動です。同情を惹くような写真を飾ってはいるものの、具体的な情報もないまま、黙々と募金を求めているといったパターンが多いような気がします。チラシを配っている人や募金箱を持っている人もいますが、どこか現実感が伴わないような印象があったり、言葉にはできない違和感を感じたりすることもあります。ネットには真偽はわかりませんが、
「執拗に募金を迫って来られた」
「募金者のリストを見せられ募金を強要された」
といった話も散見します。こういった真偽が不明な募金に一円足りともお金を入れる必要はありません。
ここまでひどくはありませんが、先日、ある駅でガイドが見かけたのは、1本ののぼりのそばで、初老の男性がマイクを握り、何らかを訴えている光景でした。傍らでは募金箱を持った初老の女性が寄付を呼びかけていました。のぼりには「○○を支援」とざっくりと書かれていましたが、その割に、具体的な情報は何1つ提示されていません。
足を止めて男性の訴えに耳をかたむけてみましたが、何を言っているのやらさっぱり……。団体の名前やどこで活動しているのか、そんな基本的なことすらもわかりませんでした。
こうなると、やっぱり募金活動を装って、何か別のことにお金が使われてしまうのでは? と思われても仕方ないでしょう。
せめてサイトのURLでもあれば、今の時代、スマホを使えば、その場で活動実績や会計報告などを確認することができます。そういった情報が全く確認できず、活動のい実体があるのかないのかすらわからないような募金活動は信頼できません。見かけても、近づかないことが賢明です。
怪しいか、怪しくないで迷ったら……
3つめは、確かに熱心に募金活動をしてはいる……、聞き慣れない団体だけれども、サイトを見ると、活動報告もされてはいる……。それでも「本当に大丈夫?」と判断がつきかねる活動。実はこのパターンで迷う方が最も多いのではないでしょうか?
ときには「これもボランティアなの?」と思うような活動で募金を集めていることもあります。「おかしい」という目で見てしまうと、集めている人すら、怪しい人に見えてしまってくるのも人間の悲しい習性です。
そういった場合のガイドの答えは1つ。「協力する必要はありません」です。
募金は「協力したい」と思ってする自発的な活動です。「信用できるのかな……」と不安を抱えながら、するものではありません。
ただ、だからと言って、その活動を
「ニセ物だ!」
「そんな支援活動はあり得ない」
と言い切ることもできないのです。
それは「ボランティア活動」には社会のためになる自発的な活動といった4つの基本精神があるだけで、これといった定義はなく、活動の内容は非常に多彩であるためです。
ボランティアに福祉や環境保護などのイメージが強いと、耳慣れない活動に違和感を覚えるかもしれません。
「これが、ボランティアなの? そんな活動聞いたことない。」
と思うような活動に出くわすこともありますが、基本精神に則っていれば、それはやはりボランティア活動だといえるのです。
震災や災害の後には「それも被災地支援なの? ボランティアなの?」と思われてしまいそうな活動もあるかもしれません。でも、それが被災地を少しでもよくすることにつながる活動であれば、ボランティア活動なのです。
「そうか、被災地ではこういうことも支援を求めているんだ」
と共感できれば協力すればいいですし、
「こんな支援活動が成立するわけない」
と、信用できなければ協力する必要はないのです。
募金箱にお金を入れるの入れないのもあなた次第。協力するもしないも自分の意思で行う。それもボランティアの基本精神です。
このことを常に頭に入れておき、信頼できない活動に出くわしたら、協力しないという自衛手段を取るのが一番です。
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