土地や家屋を持っていると固定資産税がかかる

人が住んでいない空き家であっても固定資産税は払わなければならない

人が住んでいない空き家であっても固定資産税は払わなければならない

固定資産税とは、毎年1月1日に土地や家屋といった固定資産を所有している人に対して市町村が課する税金です。その計算方法は、土地と家屋について「課税標準額」といわれる固定資産税評価額を算定し、そこに税率を乗じる、というものです。

固定資産税評価額(課税標準額)×1.4%(標準税率)=固定資産税の額

たとえば持家を所有しているなら、土地と家屋それぞれに課税標準額が算定され、それを基準に固定資産税の額が課されることになります。

建物のある土地は固定資産税が優遇されている

土地の中でも住宅用地については、課税標準額の算定について以下の減免規定があります。

・住宅用地で住宅1戸につき200平米以下の用地(小規模住宅用地):課税標準額×1/6
・住宅用地で住宅1戸につき200平米を超える部分の用地(一般住宅用地):課税標準額×1/3

この減免措置は課税標準の特例措置でもあるため、住宅の全部または一部を取り壊した、あるいは家屋の全部または一部を店舗などの用途変更した場合は、「固定資産税の住宅用地等申告書」により申告することになっています。

つまり、住宅用地であることがこの減免規定を適用できる要件なので、住宅用地でなくなった場合には申告する必要があるのです。

固定資産税の特例措置が空き家増加の一因に

ところが、住んでいない空き家があってそのまま放置していても、この固定資産税の特例措置の対象となります。

総務省が発表している平成25年住宅・土地統計調査によると、空き家数は820万戸。5年前に比べ63万戸、率にして8.3%増加していることが明らかになっています。また空き家が総住宅数に占める割合も13.5%と過去最高となっています。
空家率・件数とも右肩あがり(出典:総務省ホームページ)

空家率・件数とも右肩上がり(出典:総務省ホームページ)

空き家を放置せず散り壊すとなれば費用がかかります。個人財産であるため、仮に荒れた空き家があっても自治体が積極的に関与しにくいという側面も。こういった複数の要因が存在するため、今後も空き家が右肩上がりに増えていくことが懸念されているのです。

平成27年5月26日から「空き家対策特別措置法」が全面施行

粛々と実行してほしい政策もあります

荒れた空き家の整備に自治体が介入することに

では、空き家が増えるとどのようなマイナス面があるのでしょうか。適切な管理が行われていない空き家が増えると、災害・不衛生・景観等を損ねるといった問題があります。地域住民の生命や身体に影響を及ぼす犯罪にもつながりかねないという声も聞かれます。

そのため、下記のような要件に該当するものを「特定空家等」と位置づけて適切な施策を行っていく。これが今回施行された「空き家対策特別措置法」です。

●特定空家等とは
・倒壊等、著しく保安上危険となるおそれのある状態
・著しく衛生上、有害となる状態
・適切な管理が行われず景観を損なった状態
・周辺の生活環境の保全のために放置することが不適切な状態

これらに対して立入調査権を認めた上、除却、修繕、立木竹の伐採等の措置について助言、勧告、命令することを可能としています。

「特定空家等」とみなされると固定資産税が最大6倍に!? 

この措置を支援する観点から、平成27年度税制改正では「市町村長が特定空家等の所有者等に対して周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置をとることを勧告した場合は、当該特定空家等に係る敷地について固定資産税等の住宅用地特例の対象から除外する」こととしています。

どういうことかというと、前述の固定資産税の減免規定の対象外となります。小規模住宅用地であれば1/6減免、一般住宅用地であれば1/3減免が適用されなくなり、それぞれ固定資産税が6倍、3倍に増えてしまうのです。

もちろん、すべての空き家の固定資産税額が現在の6倍(あるいは3倍)に増えるわけではありません。特定空家等と位置づけられ、除却、修繕、立木竹の伐採等の措置について勧告以上の行政処分が行われた場合という条件付きです。しかし、空き家のオーナーあるいは関係者は注意しておいたほうがよいでしょう。

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