素晴らしきYAMASUKIの世界
ヴァンギャルドの仕事の中で最も注目すべきは、ヤマスキ・シンガーズ (Yamasuki Singers) ! ベルギー人である同胞ジャン・クルーガー (Jean Kluger) と共に、モンド界の金字塔的作品『素晴らしきYAMASUKIの世界 (Le Monde Fabuleux Des Yamasuki)』をなんと1971年に発表しています。アルバムのオープニング曲でもある、「Yamasuki」のフランスのTV番組で放映されたらしき動画が完全にイカれています。1971年と言えば、サイケデリックなヒッピーの時代。あやしい日本語らしき歌をバックにミニスカ女子とパンタロン姿の男性が、はっぴを着て、摩訶不思議な踊る姿はシュールの極みです。一日本人としては、「いや、間違っているんだけど、いいよ、それで…おもしろいから」という気分になります。素晴らしきYAMASUKIの世界 (amazon.co.jp)
Yamasuki (YouTube)
Bananaramaにつながる曲
もう一つ、重要な曲があります。ヤマスキの「Aieaoa」は、ニセ日本語で歌われています。「さよなら~」とか聴き取れますが、それ以外は意味不明です。1975年にそれをスワヒリ語にして「A.I.E. A Mwana」というタイトルで歌ったのが、コンゴのブラック・ブラッド (Black Blood)です。A.I.E. A Mwana (Discogs)
A.I.E. A Mwana (YouTube)
ブラック・ブラッドのヴァージョンをデモトラックとして録音したのが、後に大成功を収めることになるバナナラマ (Bananarama)。そして、この曲は彼女たちの輝かしい1981年のデビュー・シングルとなるのです。やっぱりヤマスキは素晴らしい!
A.I.E. A Mwana (Discogs)
A.I.E. A Mwana - Afro Tribal Version (YouTube)