輸入車/注目の輸入車試乗レポート

輸入スポーツカーの選び方 自動車評論家が徹底比較(4ページ目)

クラシックスポーツに注目が集まり、国産からもロードスターやS660と“威勢のいい”クルマが登場するに及んで、近年にない活況を見せ始めているスポーツカー。今回は身近で実用的なハッチと2シーターの本格モデルからオススメを紹介します。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

911はミディアムスポーツのスタンダード

ポルシェ911

ラグジュアリースポーツクーペの“スタンダード”、ポルシェ911。RRレイアウトを熟成、7世代目となるタイプ991にも4WDやターボなど多彩なモデルが用意される。価格は1178万~2813万円

ご予算1000万円超のクラスになってくると、本格的なスポーツ性能はもとより、一定のラグジュアリーさや、GTカーとしての優秀さも求められてくる。このクラスのスタンダードが、2+2でありながら世界で最も人気のあるスポーツカー、ポルシェ911シリーズであることは論を待たない。60年代以降、このマーケットを世界的に耕してきたのは911シリーズであり、アメリカ人の魂スポーツであるシボレーコルベットと並んで、半世紀以上に渡って名前を変えずに進化してきたモデルだ。

だから、ポルシェ911シリーズを選べば間違いない、というアドバイスは、間違いもなく無難である。多くの方々は、それで満足されると思う。かくいう筆者だって、最後に乗りたいクルマの1台だ。

けれども、911のおかげで今やこの分野には魅力的なスポーツカーがひしめいている。それらのうちから1つや2つ摘んでから911に乗るのも一興ではないか! その方が、911のありがたみが、よりリアルに分かるだろう。
ジャガーFタイプ

往年の名車ジャガーEタイプの流れを汲む、2シーターオープン&クーペのFタイプ。340psのV6と495psのV8という2つのスーパーチャージドエンジンを搭載。MY16モデルから4WDと6MTモデルも追加、価格は859万~1481万円

シボレーコルベットZ06

アメリカンスポーツの雄、シボレーコルベット。7世代目となる現行モデルはフレームやパワートレインなどを一新、世界最高レベルのFRスポーツに仕立てられた。クーペとコンバーチブルをラインナップ、価格は918.2万~1165万円。ハイパフォーマンスモデルのZ06(写真)ももうすぐ日本登場

最も新しいモデルでは、ジャガーFタイプシボレーコルベットという、よく似たレイアウトの、けれども個性がまるで違う、英国と米国のFRバトルが面白い。それぞれにRとZ06という高性能バージョンがあって、いずれもパフォーマンスはクラストップレベル。よくできたFRスポーツカーであるという点でも甲乙付け難いが、スーパーカーを蹴散らすレベルの走りを破格のプライスで提供してくれるコルベットZ06に軍配を上げたい。このクラスのベストバイである。
メルセデス-AMG GT

AMG社による完全自社開発の2シータースポーツがメルセデス-AMG GT。462psの専用4L V8ツインターボを搭載、レーダーセーフティパッケージなど安全装備も充実した。価格は1580万~1840万円

もう1台、注目のモデルがある。メルセデス-AMG GTだ。このクルマ、本来であればもうひとクラス上、ポルシェターボやアウディR8あたりのライバルであってもおかしくないが、日本での値付けが異様にリーズナブルである。現時点で未試乗のため、具体的な論評は避けるが、これからの再注目モデルであることは間違いない。
BMW i8

BMW iから登場したプラグインハイブリッドの2シータースポーツ,i8。アルミとCFRPを用いた軽量ボディを採用、上に跳ね上がるように開くシザードアを備えた。価格は1917万円

アウディR8

アウディ初のスーパースポーツがR8。ASF構造をもつミッドシップレイアウトが採用された。新型が3月のジュネーブショーに登場している。ソフトトップをもつスパイダーもラインナップし、価格は1857万~2512万円

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