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同居?近居?子育て家族が親の近くに住むメリットとは

子育て世帯とその親世帯、つまり3世代の同居や近居が注目されています。内閣府も少子化対策の一助になると見ています。同居や近居をしている人の満足度は高い、という調査結果も出ました。どういったメリットがあるからでしょう?

山本 久美子

執筆者:山本 久美子

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東日本大震災以降、子育て世帯が親世帯との同居や近居への関心を高めています。内閣府も「少子化社会対策大綱」で子育て世帯とその親世帯の「3世代の同居・近居」を推進するとしています。子育て家族にとって、同居や近居はどういったメリットがあるのでしょうか?
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子育て家族が親たちと同居や近居をするメリットは?



子育て中の子ども世帯と親世帯の
3世代同居・近居に注目が集まる

野村不動産アーバンネットが「同居・近居に関する調査」を公表しました。その結果によると、同居をしている人の67.6%、近居をしている人の84.0%が現状に満足して「今のままがいい」と回答しています。
調査結果

出典:野村不動産アーバンネット「近居・同居に関する調査結果」

実は、この調査結果については、筆者も専門家としてリリースにコメントしています。
調査結果から見えてくるのは、同居や近居をする理由として、親世帯のほうは子どもや孫の暮らしぶりを気にかけていること、子ども世帯のほうは高齢化した親の様子を気にかけていることです。ただし、30代~40代の子ども世帯は、親からの経済的支援や孫の世話も期待しています。どうやら、子育て家族こそが、同居・近居で多様なメリットがあるようです。

一方、平成27年3月20日に閣議決定した「少子化社会対策大綱」でも、「教育を含む子育ての経済的負担を緩和させるとともに、世代間の助け合いを図るための三世代同居・近居の促進など多様な主体による子や孫育てに係る支援を充実させ、子育てしやすい環境を整備する。」としています。
3世代同居・近居は、子育て環境がよくなり、少子化対策につながるというわけです。

子育て家族から見る
同居・近居の多様なメリット

では、子育て家族が親たちの近くに住むことで、具体的にどういったメリットが期待できるのでしょうか?主なメリットして次の4点が考えられます。

(1)子育て支援(孫の世話)
(2)孫への消費拡大(けいこごとや塾等の費用、ランドセル等の購入)
(3)生活費や娯楽費への支援
(4)住宅取得への支援

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

●子育て支援(孫の世話)
まず、子育て支援ですが、いざという時に頼りになるのが親です。
今は子育て家族でも、共働きが増えています。子どもの急な病気や学校などの行事もあって、仕事と子育てを両立させることは大変なことです。

ましてや、交通トラブルがあってすぐに帰れない、仕事の都合で急なお迎えに対応できないといった緊急事態に、親が近くにいて孫たちとも日ごろから顔を会わせている関係なら、安心して助けを求めることができます。最も大きなメリットといえるでしょう。

●孫への消費拡大

日ごろから孫と会う機会が多ければ、孫たちが必要としているもの、欲しがっているものもわかります。年収が伸び悩む子ども世帯が多いだけに、手助けしたいと考える親世帯も多いでしょう。親からの孫への経済的な支援は大いに助かります。

●生活費や娯楽費への支援

子ども世帯と親世帯が近くにいれば、食材のやりとりがあったり、一緒に食事したり出かけたりといったことも多くなります。親世帯の家計に余裕があれば、こうした食費や娯楽費を負担してもらえる場合もあるでしょう。

同居の場合を考えてみると、完全に独立した2世帯住宅ではなく、玄関やリビングなどの一部を共有したり、キッチンや浴室などの水まわりまで共有したりする場合も多くあります。共有する部分が多いほど、水道光熱費などが2世帯で混在することなり、より多くの経済的支援を受けられる可能性が高まります。


次からは、筆者が専門とする住宅取得の支援について同居・近居の分かれ目について説明したいと思います。
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