「住まいは夏をむねとすべし」は本当なのか?

昔は夏の暑さ、湿気対策の方が優先だった

昔は夏の暑さ、湿気対策の方が優先だった

その昔、兼好法師は徒然草(つれづれぐさ)に「日本の住まいは夏をむねとすべし」と記しました。冬の寒さは我慢できるが夏の暑さは耐えられない、だから日本の家は夏向きにつくるべき、という意味です。

ところが近年になって、冬に寒さを我慢することは健康に良くないという調査結果が報告されています。

 

家庭内で起こる不慮の事故死は冬が多い

厚生労働省が25年ぶりにまとめた「不慮の事故死亡統計」(平成21年度公表)によると、不慮の事故で亡くなる人は冬に多く、夏に少なくなっています(【表1】)。不慮の事故のうち交通事故を除き、かつ家庭内で発生している事故で最も多いのは溺死、次いで窒息、転倒・転落と続きます。溺死の発生する時間帯は夕方から夜中に集中し、年齢では高齢者が占めています。

【表1】月別にみた不慮の事故の種類別死亡数undefined-平成20年-undefined出典:平成21年度「不慮の事故死亡統計」の概況(厚生労働省)

【表1】月別にみた不慮の事故の種類別死亡数 -平成20年- 出典:平成21年度「不慮の事故死亡統計」の概況(厚生労働省) 



冬もむねとすべし

高齢者が浴室でヒートショックを起こすと大変危険です

高齢者が浴室でヒートショックを起こすと大変危険です

冬に高齢者の溺死が多い原因のひとつにヒートショックがあります。ヒートショックとは、暖かい部屋から寒い部屋に移動したときに、急激な温度変化が原因で脳溢血(のういっけつ)、心筋梗塞などの発作を起こすことをいいます。

今でも家を建てる時、どちらかというと夏場の過ごしやすさを重視し、冬場の寒さ対策は「がまんすればいい」と考える方もいるかもしれません。しかし、健康に大きなダメージを与えるのは冬の寒さです。夏の光熱費より冬の光熱費の方がたくさんかかっていることも踏まえると、今の世の中では冬場にいかに暖かく過ごせる家にするかということも、重視して建てたほうがいいと言えます。

 

洗面所、浴室、トイレで発生するヒートショック

冬 場、ヒートショックを発生しやすい場所でまず思い浮かべるのは洗面所、浴室、トイレです。冬場の洗面所、浴室で発生するヒートショックの原因と対処法はこちらの記事で、冬場のトイレの適正温度やおススメのトイレ暖房などはこちらの記事にまとめておりますので、ぜひご覧ください。

 

寝室も要注意

以上のように、洗面所、お風呂、トイレなどでヒートショックの危険性が高いということはかなり周知が進んできたと思いますが、実は寝室の温度にも注意が必要ということをご存知でしょうか。その理由と真冬の寝室の適正温度を次のページで解説します。