私は最近、ある女性雑誌の片付け特集のために、片付けられない料理研究家Hさんのご自宅に伺い、拙著『お片づけは「家ロジ」で。』で提唱している、片付けの3つの原理原則をもとに、片付け指南をしてきました。

夫が着もしない毛皮のコートや、使いもしないエクササイズの道具を捨てない。小学3年生の子どもは幼稚園時代のおもちゃを捨てない。我が家は「捨てられな」いから「片付かない」のです、とHさんはおっしゃいます。

H家が片付かない理由は本当に「捨てられない!」からでしょうか。そこで、H家に限らず多くのご家庭が抱える、「片付かない!」本当の理由について解明したいと思います。

使うモノと使わないモノが、ごちゃごちゃに混ざっている 

「家ロジ」の原理原則1は、よく使うモノが使いやすいように、「全てのモノに定位置の置き場所を決める」です。ところが、ざっとH家のLDKを見渡すと、使うモノと使わないモノが無秩序に適当に棚や床に積み上げられていました。

まず、私は「この部屋では何をしていますか?」と尋ねてみました。Hさんは日頃の家族の行動を思いお越しながら、家族共通で食事する、Hさんが料理をする、掃除をする、夫がTV・DVDを見る、資料を調べる、子どもが遊ぶ(勉強はしない)と答えます。

次に、私はそれらのするコトに対して、各自が必要なモノを積み上げられたモノの中からピックアップしてもらうことにしました。するとどうでしょう、各自が使うモノは3割足らずであとは使わないモノばかりでした。

さらに私は、使わないモノについて、とっておくモノ、捨てるモノを区別してもらいました。するとどうでしょう。これまで捨てることを頑なに拒否していた夫と子どもが、これは使わないから捨てていい、と言い始めたのです。なんとなく捨てる気になれないために、これまでとっておいたモノも、使う、使わないというはっきりした目的があれば、捨てる決断ができる、ということなのです。

つまり、不用なモノをとっておかないようにするためには、その部屋で家族それぞれがするコトは何か、そのために必要なモノは何か、使うモノは何かが明らかになっていることが、大前提となるのです。

使うモノそれぞれに決まった置き場所がない 

その上で、使うモノを使いやすい場所に置き場所を決めます。もっと詳しく言えば、全ての使うモノに定位置の置き場所を設けることが重要なです。H家の場合はどうでしょう。

全てもモノに定位置の置き場所がありません。全てのモノはちょっとそのへんにとチョイ置きされ、そのままずーっと置きとなっています。しかも、Hさんのモノ、夫のモノ、子供のモノが混在して置かれています。混然一体となった多くのモノのうち、忘れ去られて使われない運命をたどったモノが7割、使うたびにどこにあるのか探し回るモノが3割、というのが現状です。

よく収納スペースが足りないから片付かない!と言う方がいますが、多くの場合は収納スペースの問題ではありません。しつこいようですが、各自が使うモノが使いやすい決まった場所に置かれていないことが、片付かないという大きな原因のひとつです。

捨て場所がない、捨て方が分からない 

Hさんは、モノが捨てられない!と何度も訴えますが、なんと自宅にはゴミ箱がありません。燃えるゴミやびん類はスーパーのレジ袋(ゴミ専用のビニール袋はありません)に入れて、浴室横の脱衣スペースの床に置かれています。最も身近なゴミの捨て場所であるゴミ箱が、捨てやすい位置に置かれていなければ、使わないモノ、不用なモノを捨てることができません。

実は、このゴミ箱は盲点です。H家のように、ないからゴミや不用品を入れたゴミ袋がキッチンやダイニング、リビングの床に置きっぱなし、またゴミを分別するのがおっくう、粗大ゴミ、リサイクル家電の捨て方が分からず、そのまま放置というご家庭がけっこう多いのです。捨て場所がない、捨て方が分からないでは片付きません。

次のページでは、片付かない真の理由をもとに、片付けの5つのコツをお教えします。この5つを実践することができれば、誰でも片付け上手になれる?!