大ブームのスキレットを使いこなそう
実はこのスキレットがアウトドアファンはもちろんのこと、主婦層にまで広く人気を博しているのです。もともとはアウトドアや輸入キッチン雑貨を扱うショップでしか手に入らなかったスキレットですが、近年は販売の裾野を広げ一般にも手に入りやすくなりました。
家具やインテリアの全国チェーン、ニトリでは500円以下で小型のスキレットを発売。「ニトスキ」と呼ばれて手に入れられないほど品薄になっています。
そんなスキレットですが、その魅力はなんといっても料理がおいしくなることにあります。鋳物製のスキレットは手にするとずっしりと重く、持ち運びにも不便ですが、逆にそのことが熱を均一に回し、素材の旨みを逃さない調理に一役かっています。肉も魚も野菜もとりあえず入れて焼くだけで旨みが凝縮した驚きの一品になるのです。
まずは錆止めワックスを落とすことからはじまる
スキレットを手に入れたら料理の前にすべきことがあります。それはシーズニングと呼ばれる作業。出荷される時に塗られた錆止め用のワックスをまずは中性洗剤などで洗い、その後コンロにかけて加熱します。ハウツー本などにはこのときオリーブオイルをひいてとありますが、高級なオリーブオイルを使うのももったいないので普通の食用油で十分です。ほぼこれでワックスの匂いは取れるはずですが、気になるようなら野菜クズなどを炒めればなおよいでしょう。当たり前ですが全体は鋳鉄でできていますので、熱くなったスキレットは素手では持てません。焚き火用の革手袋など熱に強いグローブを必ずはめて作業してください。
どんな調理に向いている?
アメリカの老舗ロッジ社のスキレット
でも、そんな心配は無用です。普通のフライパンと同じく焼く調理はもちろんのこと、煮る、蒸す、揚げるはお手のもの。さらにご飯を炊くこと、ケーキを焼くことまでなんでもござれ。
おすすめはスキレット専用のフタを手に入れるか、同じサイズのスキレット2つ入手して一方をフタにすること。しっかりとウエイトのあるスキレットのフタなら圧力がかかって高温で食材を料理できる簡易オーブンに早変わりするのです。
それでも心配な人はステーキなど塊肉を焼いてみましょう。おいしく焼くコツはこちらの記事をごらんください。
また、焚き火料理も大得意。熱が均一にまわるスキレットだから、焚き火の熾火にかけておいてジャガイモやタマネギなどを加熱して塩胡椒で食べるだけでもめちゃくちゃおいしいごちそうになるんです。
ホットケーキもおすすめです。夜、焚き火の火加減がいい具合のときに、甘さ控えめなやつをまとめて焼けば、夜はおつまみに、残ったら次の日の朝食にと重宝することでしょう。
調理のコツは熱々に熱すること
肉も魚も野菜もおいしくなる魔法のフライパンスキレットですが、分厚くて思いボディは一旦温まれば冷めにくい蓄熱性の高さを備えている反面、なかなか温まりにくいのも事実。調理する際はしっかりと加熱することがポイントです。ゆらゆらと熱気があがっているのが見えるほど熱が通ったら食材の入れ頃です。使用後は洗剤を使わないこと!
スキレットを使ったあとは洗剤を使わずに水洗い。その後コンロにかけて再び加熱して水分を完全に飛ばしましょう。濡れたままにしておくとあっという間に錆びてしまうのでご注意を。最後にティッシュに食用油をほんの少しふくませて全体を拭いておけばバッチリです。家ではもちろんのこと野外でもぜひスキレットを使いこなしてみてください。