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スマホの王道RPGと怪しい店の明朗会計(2ページ目)

王道、本格、スマートフォンで遊ぶ面白いゲームを探そうとすると、そういう言葉をすごくたくさん目にすると思いませんか? 王道RPGがスマートフォンで手軽に、なんてキャッチコピー、ありますよね。ということは…今のスマートフォンには王道RPGが、本格的なRPGがひしめいているということでしょうか?

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

王道風パズドラアレンジRPG

パズドラの図

スマートフォンのRPGに圧倒的に影響力があるのは、やはりパズドラです

王道、本格と謳うRPGは多いからといって、ドラクエみたいなゲームがいっぱいあるかというとそんなことはありません。ドラクエは日本の家庭用ゲームの歴史において非常に大きな影響を与えていますが、スマートフォンにまでその影響力が届いているかというと、そうでもないでしょう。ドラクエよりは、圧倒的にパズドラの影響力の方が強いです。

パズドラはRPG要素のあるパズルゲームですが、これをガンホーはパズルRPGとして打ち出しました。実は、初期のパズドラというのは、厳密にそうであるかは別にして、ソーシャルゲームの仲間であるかのように思われることも多かったんですね。まだスマートフォンのゲームアプリよりも携帯電話を中心としたソーシャルアプリの勢力が強かった頃、ガチャの要素やフレンド登録した人のキャラクターに協力してもらうシステムがあるパズドラは、「ソーシャルゲームのようなもの」でした。

しかしガンホーはメディアの取材に対して、パズドラはRPGであるという認識を徹底しました。その甲斐あってか、パズドラはスマートフォンの世界で最も人気のあるRPGとして君臨することになります。

この、スマートフォンにおけるRPGの雛形となったパズドラに、王道や、本格のふりかけをかけるゲームがたくさん現れるようになります。広大なフィールドがあるわけではないけれど、世界を旅している感が演出されていたり、ガチャで手に入れるんですけれど、仲間との運命的な出会いを醸し出していたり。

演出としてそれが悪いとは言いませんが、王道RPGと言われると、首をかしげることも少なくありません。

怪しい店ほど明朗会計を掲げる

明朗会計の図

言われれば言われるほど、逆に不安は増していきます

この、王道、本格という言葉が飛び交い、陳腐化してしまうような現状は、ゲームメーカーと、そしてゲームユーザーにとって、あまりいいことではありません。これ、怪しいお店が明朗会計と掲げるのにすごく似ている状況です。

例えば、ある繁華街に来て、たくさんのお店が並ぶ中、どこを見ても「明朗会計」「明朗会計」と掲げられていたらどう思うでしょうか? 怖くないですか? ぼったくられそうな臭いがしてきませんか? ガイドなら、ちょっと怖くなって警戒し、その近辺のお店には入らないようにします。

明朗会計が当たり前なら、明朗会計なんてわざわざ書かないんですよね。自分が怪しまれていると思われからこそ、安全ですよ、安心ですよ、大丈夫ですよと、必要以上にアピールするのです。どこもかしこも明朗会計と書かれていたら、明朗会計じゃない店があるんだろうと、逆に怪しく見えてきます。

スマートフォンのゲームでも同じことで、どこもかしこも王道、本格を掲げると、ユーザーに見透かされて、どうせたいしたことないんだろうと思われてしまいます。それはとてもつまらないことです。

そもそも、ユーザーはみんな王道RPGが遊びたいのでしょうか?
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