その起源はなんと、紀元前8世紀!
地中海のほぼ真ん中に浮かぶシチリア島。青い海に囲まれ、内陸には肥沃な大地が広がるこの島は、戦略的にも絶好なポジションにあったため、古代ギリシャや古代ローマ、イスラム帝国やノルマン王国…各時代の地中海列強国に愛され欲され、常に他国支配を受けてきた歴史があります。同時に流入した財力・権力、異文化が融合し、類まれなる繁栄も築かれました。中でも州都パレルモは、紀元前8世紀に入植した古代フェニキア人によって街が建設されて以来、長きにわたり、地中海の重要な都市だった街。支配者が変わるたび、拡大&リニュアル、そして繁栄を繰り返した歴史の足跡が街のあちこちに残されています。
各時代の歴史遺産が街中に「混在」する街
パレルモの面白いところは、そんな歴史の遺構が今の街の中に「混在」しているところ。街を歩けば、ひょっこり出会う紀元前8世紀の要塞跡や、青空をバックに建つバロックの教会の隣に中世の塔。瀟洒な20世紀のオペラハウスの裏手に回れば、アラブ人が開拓した街路に市が立つ…。
そうして、そんな貴重であろうはずの歴史遺産が今も存分に活用され(時に放置され)、当たりのように現代の暮らしの中に紛れ込んでいるのです。
複雑な歴史の街を楽しくまわるコツ
3000年分もの長い歴史がミルフィーユのように積み重なったパレルモ。だいたいの歴史を把握してないと、何が何だか…。今はいったいいつなのか、現実感も薄れてボーっとしてたら、うっかりスリに合った?!なーんてことになりかねません!(いやいや、そんなことは滅多にありませんが…)。ぜひ、街歩きの前に、なんとなくでも全体の歴史の流れを把握しておきましょう!次ページでは、覚えておきたい「パレルモざっくり歴史」をご紹介します。