ストレス/ストレスフリーの思考術

「ダメ人生」を劇的に変える“語り”のアプローチ(2ページ目)

自分の人生を「負け組」「失敗ばかり」と悲観的に捉えていませんか? ナラティブ・アプローチを活用すれば、その考え方が劇的に変わります。気づかなかった、「もう一つの人生ストーリー」の発見方法についてご紹介します。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

「失敗続きの負け人生」が「回復し続ける勝ち人生」に変わる!

ジャンプする女性

オルタナティブ・ストーリーを発見すれば、人生は劇的に変わる

たとえば、受験に失敗し、就職にも失敗し、恋愛にも結婚にも失敗したことを嘆いている人がいます。しかし、そもそもこれだけの失敗を経験しているのに、今こうして生きていられるのは、なぜなのでしょう?

それは、その人自身に強い生命力があり、失敗から立ちあがる回復力(これを「レジリエンス」と呼びます)を持っているからだと、私は思います。つまり失敗を重ねている人は、その分だけ「困難からの回復」という勝ち体験も重ねているのです。

「失敗続きの負け人生」のように、自分の頭の中で優勢になっているストーリーを「ドミナント・ストーリー」(支配的なストーリー)と呼びます。そして、このドミナント・ストーリーの裏には、見方を変えて描かれる「オルタナティブ・ストーリー」(もう一つのストーリー)が必ず存在するのです。「失敗続きの負け人生」のオルタナティブストーリーは、「回復し続ける勝ち人生」になるでしょう。

ナラティブ・アプローチでは、カウンセラーと共に自分のオルタナティブ・ストーリーを発見し、そのストーリーを“分厚く”する作業を行っていきます。つまり、自分に合わないストーリーには取り合わず、同じエピソードを別の視点で捉えながら自分に合ったストーリーを作り直し、そちらに注目していこうとするアプローチ方法です。

私もカウンセリングのなかで、この方法をさりげなく取り入れていますが、クライエントは自分が気づかなかったオルタナティブ・ストーリーを発見すると、目がキラリと輝き、顔色が明るく変わっていきます。カウンセリングの手法ではありますが、自分自身との対話でも、あるいは周りの人との会話の中でも、実践することができます。

人生をどう捉えるかは、その“人生のストーリーの描き方”次第です。ぜひ、あなたも自分の人生のオルタナティブ・ストーリーを発見してみませんか?

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