「アル ケッチァーノ」奥田政行さんの初のベーカリー
イタリア料理店「アル ケッチァーノ」の奥田政行さんが2015年4月25日、初のベーカリーをオープンしました。場所は山形県鶴岡市。戦前の絹織物工場を再生した「鶴岡まちなかキネマ」の隣で、地元の食材を活かしたパンが話題となっています。店名は「地ぱんgood~TOTSZEN terroir~(じぱんぐ トツゼンテロワール)」。
地ぱんgood~TOTSZEN terroir~
「トツゼン」という言葉が入っているのは、横浜・大倉山で「トツゼンベーカーズキッチン」を経営する岸本拓也さんがベーカリープロデューサーを務めているから。奥田さんが地元庄内産の素材を使ったイタリア料理で知られている一方で、岸本さんは2011年の震災後に岩手県大槌町のプレハブ施設でコッペパン屋さんをオープンさせ、地元の雇用を創出し、パンで町を元気にするプロジェクトを成功させたのが記憶に新しいところです。
奥田政行さん(左)、岸本拓也さん(右)
「地ぱん」とはその地域ならではの素材を使ったパン、日本ならではのパンを意味し、「じぱんぐ トツゼンテロワール」は店名であると同時にパンで地域を活性化するプロジェクトの名前でもあるのです。それは山形に限らず日本各地を視野に入れています。
大岡俊志さん
今回、奥田さんの料理とパンの組み合わせを形にする人として抜擢されたのは「メゾンカイザー」、「ジョエル・ロブション」などで経験を積んだパン職人、大岡俊志さん。もともと料理とパンの関係性にとても興味があったのだそうです。
山形の素材を使った地ぱんgoodのパンたち
料理とパンの組み合わせで注目したいのは「庄内素材のグルメコッペ」各種(350円)。「オルトラーナ(菜園風)」「カルボナーラ」「ペスカトーレリゾット」など、パスタやリゾットをコッペパンに挟むのが斬新です。「焼きパスタ ホウレンソーネ」は奥田シェフならではの駄洒落で、ほうれん草の根のところが縦一列にトッピングされています。「パスタは茹でてから焼きつけると逆アルデンテとなって日本人の好きなナポリタンのような食感になります」と奥田シェフ。
グルメコッペ各種