O脚とはどんな状態?
O脚の原因とは?
膝関節は太ももの骨である大腿骨と、脛(すね)の骨である脛骨で構成されていますが、健康な成人であればこの二つの骨は4度の外反角度を持っています。つまり、ごく軽度のX脚であると言えます。
基本的に、生まれたばかりの赤ん坊はO脚の状態です。歩くことが可能になるにつれ徐々に膝が内側に曲がり、2歳から6歳くらいの年齢ではX脚の傾向になると言われています。そしてその後、再び膝が外側にやや曲がり、成人と同様の外反角度になります。
O脚の原因
O脚の原因は、病的な変形と生理的な変形の二つに分類されます。病的変形は膝関節周囲の靱帯の損傷や弛緩が原因で発生するもの、先天的または後天的に膝関節を構成する骨の異常が発生したもの、骨折などの外傷により変形したものなどを指します。こうした病的変形が原因で発生しているO脚には、原因に応じて手術などが行われます。
一方、生理的変形によるO脚とは、運動習慣の不足や不適切な姿勢での生活などが原因で、膝関節の内反角度が増大してしまうことを言います。
一般的に生理的変形によるO脚は、その名の通り膝関節の問題と思われがちですが、実際には膝自体に原因がなく、股関節の可動域や股関節周囲の筋力が原因で発生していることが多いと言われています。
O脚の原因は膝ではなく姿勢と股関節
股関節を外側に回してみると両膝の距離は離れ、股関節を内側に回してみると両膝の距離は近づくことが観察できると思います。このことからも、膝関節の位置は膝自体が決めているのではなく、股関節の状態によることが分かると思います。では、実際にどのような姿勢が生理的変形によるO脚を引き起こしやすいのか考えていきましょう。
まず、姿勢を正し両足に均等に体重がかかるように立ってみましょう。その状態から踵(かかと)側に体重をかけ、少し背中を丸めるようにしてみると、両膝の間の距離はどうなるでしょうか。姿勢を正し立っていた時と比較して離れてしまうのではないでしょうか。椅子に座って良い姿勢をとった時と悪い姿勢をとった時の両膝の間の距離を比べてみても、同じことが観察されます。
踵側に体重をかけ、少し背中を丸める姿勢をとると、重心の後ろへの移動に伴って骨盤帯は後ろに傾きます。こうなると、股関節は外側に回る動きをするように誘導されます。
股関節が外側に回る動きは、同時に股関節を外側に開く動きも発生させるため、結果として両膝の間は離れることになります。これらのことから、踵側に体重をかけ、少し背中を丸めるという姿勢こそが生理的変形によるO脚の原因と考えられます。
こうした姿勢は座位で長時間過ごす方や、ストレスを感じることが多い方などに見られ、おしりの筋肉である大殿筋、ハムストリングスと言われる大腿の裏側にある筋肉や、腹直筋などお腹にある筋肉の柔軟性が低下している場合がほとんどです。
こうした姿勢とO脚の関係を踏まえ、予防と改善に効果があると考えられるツボについてご紹介していきます。