住まい全体で検討することが基本。外観にも配慮して
どのような窓を選ぶかは、心地よい住まいを実現するための重要なポイントのひとつ。窓のプランニングを進める際には、採光や通風、換気だけでなく、断熱性や防犯性、掃除のしやすさなどの性能も含めて検討することが大切です。室内側だけでなく外観デザインにも影響するので、住まい全体で検討することが基本ですが、それぞれの部屋ごとにも配慮しておきたい、いくつかのポイントがあります。間取りや部屋の使い方、ライフスタイルや家族構成に合わせてプランニングするようにしましょう。玄関 明るさと通風を確保したい。防犯性にも配慮を
北側などに設けられた玄関の場合、断熱性能にも配慮したい。 [エルスターX] LIXIL
大きな窓を設けることが難しい場合は、たとえば、細長い縦型の滑り出し窓を設けたり、天井近くに横型の窓などを設置したり、また、採光だけが目的であれば、FIX窓やガラスブロックなどを取り入れてもいいでしょう。間取りにもよりますが、防犯面への配慮が必要な場合は、スリムなものや小型のタイプなどを選んだり、防犯ガラスを用いることも考えられます。冬場の寒さ対策のためには断熱性能の高いタイプを選んでおいてもいいでしょう。
最近では、ガラス組み込むなどして採光や通風が可能な玄関扉も揃っています。窓だけでなく扉も含め、光と風が通り抜けるようなプランを検討するようにしましょう。
リビング・ダイニング 光を取り込み開放的に。屋外空間とつなげても
家族みんながくつろぐリビング・ダイニングは、できるだけ明るく広々とした空間としたいもの。敷地条件にもよりますが、大きな窓を設けたり、いくつかの窓を並べて配置するなど、光と風をたっぷりと取り込むことができるようなプランニングが向いています。また、テラスやデッキなど、アウトドア空間と行き来しやすく、つながりを意識した窓を取り入れてもいいでしょう。効果的に掃き出し窓を設けたり、全開放できるタイプ(折りたたみ窓や引戸など)も適しています。広がりはもちろん、テラスへの出入りがしやすい掃き出し窓。[APW311 引違いテラス戸] YKK AP
キッチン 心地よく調理ができ、換気にも役立つプランに
キッチンは、朝から快適に過ごすことができるような光を取り入れたいもの。キッチンユニットや収納などで壁面が少ないケースも多いので、トップライトや天井近くに窓を設けるハイサイドライトを設けて、光を確保してもいいでしょう。また、プランニングにもよりますが、調理器具を置いたり、花を飾ったりできる出窓を取り入れたり、ガラスを組み込んだ勝手口扉を設けても。明るさや広がりと同時に、臭いがこもりにくいように、換気にも役立つようなプラとすることも大切です。寝室 睡眠を妨げない配置やスタイルを選ぶ
寝室は、リラックスできる空間とすることが基本。朝日が直接、ベッドに差し込むような窓のスタイルや位置は避けるほうが無難でしょう。もちろん、カーテンやシャッター、雨戸などを設けることで防ぐことは可能ですし、差し込む光が調節できる、ブラインドやシャッターなどを設置しても。選ぶ際には、防犯性や防音性などにも配慮しておくようにしたいものです。やわらかな光が差し込むような配置を考えたい。[APW330 たてすべり出し窓×2セット] YKK AP
子供部屋 明るく開放的に。落ち着いて勉強ができる工夫も
子供部屋は、たっぷりとした光と風を取り込み、明るく開放的な空間がいいでしょう。健康面にも配慮して、湿気が溜まらないように、窓の配置やスタイルに配慮すること。年齢にもよりますが、幼い頃であれば小窓や丸窓などで楽しい雰囲気としたり、受験生の場合は落ち着いて勉強ができるように、断熱性や防音性などを高めた窓を選んでもいいでしょう。和室・畳スペース 引き違いだけでなく、使い方に合わせて
和の空間は、使い方やデザインにもよりますが、引き違い窓だけでなく、細長いタイプや丸窓などを用いてモダンな空間としてもいいでしょう。床面に接した地窓を設ければ、プライバシーを確保しつつ、庭を楽しむことも可能です。また、通風や採光に配慮しつつ、畳の日焼けなどに配慮をしたプランニングをすることも大切でしょう。洗面室・トイレ プライバシーを確保し、換気もスムーズなタイプを
手元と高い位置に窓を確保。朝の化粧や身だしなみなどもしやすい明るさを確保したい。[エルスターX] LIXIL
浴室 換気やプライバシーを確保。明るく広がりも
浴室の窓は、明るく広々とした空間を生み出すとともに、効果的に換気ができるプランとしたいもの。出窓やジャロジー(ルーバー)窓、天井近くに窓を設けてもいいでしょう。入浴しながら庭などを眺めることができるような窓であれば、よりリラックスできますし、直接デッキなどに出ることができれば、露天風呂感覚を味わうことも。多くの方が取り入れるシステムバスには、商品にもよりますが、数種類の窓が設定されているので、間取りや好みに合わせて取り入れることができるでしょう。階段・廊下・小屋裏 小窓やトップライトで効果的に
壁が多く、閉鎖的になりがちな廊下や階段は、小窓を効果的に用いてもいいでしょう。トップライトを取り入れれば、上からの豊かな光を取り入れることも可能。また、廊下が暗くなってしまう場合は、隣接する部屋の壁に室内窓を設けたり、ガラスなどを用いたデザインの室内扉を取り入れて、明るさを確保する方法もあります。小屋裏やロフトは、プランニングにもよりますが、採光だけでなく換気のためにも窓が必要になるケースも多いものです。たとえば、トップライトや屋根面近くに窓を設けることで、明るさだけでなく、風が住まい全体に通り抜ける効果も。また、天井勾配を生かして、三角や台形の窓を配置してもいいでしょう。
ウォークインクロゼット・納戸 換気を基本に。日焼けに注意
ウォークインクロゼットや納戸などは、基本的に換気を主に考えて窓を設けることになるでしょう。ジャロジー(ルーバー)窓や引き違いなど、開閉が楽に行えるタイプを選ぶこと。また、間取りプランにもよりますが、クロゼット内の衣類などが日焼けしないように配置するなど、注意が必要です。窓のプランニングをする際は、ショールームで実際の商品をチェックし、開閉や鍵などの操作をすること。部屋ごとの空間展示などで、コーディネートを参考にするのもいいでしょう。住まい全体を考えるのと同時に、部屋の特性や使い方など、さまざまな角度からの検討することが大切なポイントです。
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