学費・教育費/留学にかかるお金

ついにやってくる、全留(全員留学)時代!?

国が大学のグローバル化に本腰を入れています。中には「全員留学」を掲げる大学も出始めています。わが子の教育資金を考えるために、今後の留学の傾向についても知っておきましょう。

豊田 眞弓

執筆者:豊田 眞弓

教育費 ・ 奨学金ガイド

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一橋大学が2018年から全留へ!?

留学

今後は大学生の留学は当たり前の時代になるかも

海外留学をする学生数が激減する中、グローバル社会で闘っていける学生を育成しようと国が本気で取り組んでいます。2014年には「スーパーグローバル大学」(後述)も選定されました。これらの大学には、10年間にわたって補助金が投入され、大学や学生の国際競争力を高めていく柱となるはずです。

国を挙げてグローバル化に対応できる学生を育成しようという動きの中、最近の大学にも変化が現れ始めています。その一つが、海外留学を「必修」にする大学が増えそうなこと。つまり、大学で認められた留学をしないと卒業できないということ。つまり、全留(=全員留学)です。

報道によると、一橋大学では2018年度の新入学生から、学生全員の留学をスタートさせる予定だそうです。時期はもう少し先になりそうですが、立教大学や早稲田大学をはじめ、全留導入を掲げる大学も増えつつあります。

「留学」の内容も、短期の語学研修から、半年、1年の留学までメニューが用意されるのではないかと思われます。「必修」となるなら、費用負担は極力、軽減されるものと期待しますが、どうなるかはまだ不明です。

●スーパーグローバル大学
<トップ型>

国立:北海道大学、東北大学、筑波大学、東京大学、東京医科歯科大学、東京工業大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、広島大学、九州大学
私立:慶應義塾大学、早稲田大学

<グローバル化牽引型>

国立:千葉大学、東京外国語大学、東京芸術大学、長岡技術科学大学、金沢大学、豊橋技術科学大学、京都工芸繊維大学、奈良先端科学技術大学院大学、岡山大学、熊本大学
公立:国際教養大学、会津大学
私立:国際基督教大学、芝浦工業大学、上智大学、東洋大学、法政大学、明治大学、立教大学、創価大学、国際大学、立命館大学、関西学院大学、立命館アジア太平洋大学

留学が必修の学部も増える傾向

留学に関する最近のもう一つの変化が、大学全体ではなく、特定の学部内での留学の必修化です。一部の大学の「国際○○学部」「観光学部」などでは、すでに3カ月から半年、中には1年程度の留学を必修とする学部も出ています。こうした動きはさらに強まりそうです。

大学が提携している海外の大学への留学であれば、海外で取得した単位を算入できる単位互換の仕組みも広がっています。休学することなく留学ができ、卒業時期もずらさずに済みます。

留学に行く学生が増え、「留学が当たり前」となってくると、海外の大学や大学院への進学を希望する学生も増えてくるのかもしれません。

留学にはいくら費用がかかる?

学生が留学をして語学力と異文化コミュニケーション能力を身につけることは、グローバル時代に大事なことですが、問題は学費です。留学ではいくらくらいかかるのでしょう。国や大学、期間、学ぶ内容などでかかる費用は違ってきます。

一般的に、留学をする際にかかる費用としては、事前準備費、渡航費、学費、住居費、生活費などがあります。それぞれ次のような内容です。

●留学でかかる費用
<事前準備費>

語学研修費、健康診断、予防接種、パスポート申請、留学保険料、雑費(スーツケース、ノート型PC、医薬品)など
<渡航費>
往復の航空券。長期留学の場合は途中で帰省する費用など
<学費>
授業料、教材費、通学の交通費など
<住居費>
学生寮やアパート、ホームステイ費用など
<生活費>
食費、交際費、衣服・日用雑貨、通信費、雑費、こづかい、予備費など

実際に負担する費用は、大学や利用できる奨学金などによっても異なりますが、完全に自費で留学をする場合の目安としては、欧米への留学で年400万~500万円、オセアニアで年250万~350万円、アジアで年150万~250万円程度かかります。

ただし、大学や学部で留学を必修とする場合は、提携する大学への留学であれば授業料はかからないはず。また、渡航費や住居費、生活費も給付型の奨学金などで軽減されるのではないかと期待されます。

【関連】
「全留時代」の留学費用は給付型奨学金を活用


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