さらに大きく、さらに高級に!キャデラックのフルサイズSUV
1999年に初代が登場、第4世代となるフルサイズSUV。日本ではプレミアム(1149万円)とプラチナム(1349万円)をラインナップ。ボディサイズは全長5195mm×全幅2065mm×全高1910mm
実物の脇に立つ。実に、巨大だ。旧型もかなりでかかったけれど、さらにでかい。全長5.2m弱、にも驚かされたが、幅も堂々の2m超え、車高だって1.9m以上と、日本では、自家用車というにはもはや、犯罪的なサイズですらある。本国仕様には+50cmのエクステンド(ESV)も存在するから、やはりアメリカという国は、何もかもが規格外だ。
ホイールベース寸法が旧型に同じ、ということで、プラットフォームはキャリーオーバーかと思いきや、刷新されていた。GMT K2XXと呼ばれる、新トラック用プラットフォームである。
日本仕様は、直噴6.2L V8OHC(無鉛プレミアム推奨)+6ATのパワートレインを積む。本国ではすでに8AT仕様へと進化しているが、海外市場では実績とサービス性を考慮し、6速とした。
ショート( ? )ボディの左ハンドルのみを輸入する。プレミアム(1149万円)と、+100万円でパワーステップやレザーラップインテリア、後席デュアルDVD&モニターなどが装備されるプラチナム、の計2グレードが用意された。
というわけで、なんとなんと、スタート1000万円オーバーの高級車になった!本国での価格も全般的に上がっており、それだけプレミアム化が進んだというわけで、そのうえさらに円安の追い打ちを考えれば、妥当な価格設定なのかもしれないけれども、“エスカ”のイメージでないことも、また確かで……。
そんな高額車両なわけだが、ブランドのフラッグシップモデルだとは、キャデラックも言ってない。なぜなら、最新キャデラックの各モデルは、めっきり欧州志向が強いから。ATSやCTSに乗ってみれば分かるように、仕立てはドイツ車以上にドイツ車っぽい。
そんな最新キャデラック車の開発キーワードは、“ニンブル”、“クイック”、“ファン”。なので、エスカレードのキャラとはまるで相容れない。ブランドの目指す方向性とはまるで食い違う存在であることを、経営陣も認めていた。そのうえで、エスカレードは、ブランドの目指す方向性とは異なるけれども、独立した非常に魅力的(=つまり儲かる)マーケットを既に確立している、特殊なモデルであると位置づけているのだった。
ブランドの方向性とは矛盾するモデルだけれども、生み出す利益はすさまじい。