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「退職金で運用デビュー」は大丈夫?(3ページ目)

3月に入ると、定年退職の時期からか、金融機関の広告が増えるように感じます。銀行預金の金利キャンペーンや投資信託など、預け先に迷うところです。「まとまったお金」の代表格である退職金……既に退職をした方々は、どのような運用をしているのでしょうか? 今回は、最近の退職金の運用事情について解説します。

平野 直子

執筆者:平野 直子

ふたりで学ぶマネー術ガイド

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「退職金で投資デビュー!」は大丈夫?

会社の確定拠出年金、きちんと見直してみよう!

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ライフプランセミナーなどで資産運用の話をすると、「投資は気になっているけれども、まとまったお金がないから運用できない」とおっしゃる方もいます。けれども、まとまったお金(=退職金)が入った時に、いきなり投資デビューは、意外と勇気がいるのではないでしょうか。

「退職者8000人アンケート 2015」では、退職金で初めて投資をした人と、現役時代に投資経験がある人について、興味深い比較をしていましたので、その一部を次にご紹介します。

フィデリティ退職・投資教育研究所「退職者8000人アンケート2015」をもとにガイド平野が図表作成(クリックすると拡大表示されます)

フィデリティ退職・投資教育研究所「退職者8000人アンケート2015」をもとにガイド平野が図表作成(クリックすると拡大表示されます)


現役時代に投資をしていた人は、退職金で初めて投資をした人よりも退職直前の平均年収が高めですが、退職一時金のみの受取比率や受取額は、若干少なくなっています。一方、確定拠出年金(DC)の加入率は、退職金で初めて投資をした人よりも、10%ほど高い結果となりました。確定拠出年金を行うこと自体が投資経験になるので、現役時代から投資に対する意識も高まります。その影響もあって、退職金のうち投資に回す比率も高まったのではないかと思われます。利用金融機関も証券会社の比率が高く、オンライン証券を利用する人も25%近くいました。

一方、退職金で初めて投資をした人は、退職一時金として受け取る額が多い分、長期間使わないお金は投資に回せる可能性があるのですが、投資に回した割合は、約37%。投資をしなくても利回りの高い定期預金、国債などで運用する方法もあるのですが「残った退職金は、振り込まれた銀行にそのまま」という人も、現役時代から投資をしていた人より10%多くなっていました。銀行に出向く機会が多いので、証券会社を利用する割合は約20%、オンライン証券については13%と現役時代から投資をしていた人の約半分でした。

夫婦で力を合わせて今から投資デビュー!

老後の生活費の補充として、投資信託の配当金も助かっているよ!

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投資に回す割合やどの金融機関が良いかは人それぞれですが、大切なことは、「資産運用に関する情報をしっかりキャッチ」して、「どのような目的でいくら運用するか」を定め、「目的に合った運用をする」ことです。そのための情報収集や少額からの投資経験は、できる限り早く始めると、金融知識が深まり、金利や運用に対する感度が高まります。

民間の金融機関や公的機関によるセミナーを夫婦で受講する方も多くいらっしゃいます。確定拠出年金制度を利用できる方は、ぜひ定期的に運用結果をチェックして、投資配分を見直してみましょう。2014年から「NISA(ニーサ)少額投資非課税制度」が始まりましたので、夫婦でそれぞれ活用するのもいいですね!

【参考サイト】
●一般社団法人 投資信託協会
●一般社団法人 投資信託協会「NISAで投信はじめよう」

【関連リンク】
●普通預金に入れっぱなしはOK?資産運用のススメ
●これから投資を始めたい人への最初のアドバイス
●定年後のライフプランも夫婦で早めに考え始めよう!
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