カンバーバッチの渾身の演技が光る
『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』(2014年度作品)第二次世界大戦中、ドイツ軍の暗号エニグマの解読を英国の機密機関で挑んだアラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)。彼にとっては自分の能力を試すゲームにすぎなかったけれど、理解者を得て、変化していく様とコンピューター誕生の秘密に迫ったスリリングな伝記映画です。
カンバーバッチ以外にこの役を演じられる者はいなかったのではないかと言うほどのハマリ役。天才で変人、情熱的だけど閉鎖的という一筋縄ではいかないチューリングという人物を立体的に演じ切り、スクリーンを通して肉体を感じさせます。その苦悩も実に真に迫り、それはもう見事としか言いようがありません!
チューリングの真実に迫りながらも、エニグマの解読はどうなるのか……というスリルも加味して最後までスクリーンにくぎ付けにするパワフルな作品。以前から演技力には定評のあったカンバーバッチですが、この一作でおそらく毎年賞レースに参戦する存在になることは間違いないでしょう。
監督:モルテン・ティルドゥム 出演:ベネディクト・カンバーバッチ、キーラ・ナイトレイ、マシュー・グードほか
(C) 2014 BBP IMITATION, LLC
ベネディクト・カンバーバッチ★オススメ出演作
『裏切りのサーカス』(2011年度作品)東西冷戦下の英国諜報部で、ソ連の二重スパイ探しをする男たちのドラマをスリリングに描いた作品です。カンバーバッチは主人公のスマイリー(ゲイリー・オールドマン)の相棒として二重スパイ探しに奔走するピーター役。
このときすでにテレビシリーズ「シャーロック」で人気を博して、日本でも熱狂的なマニアがおりましたが、この映画では名脇役ぶりを発揮。ゲイリー・オールドマンを支えつつ、只者じゃない魅力を放って印象強いです。
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