復活祭・イースターは、イタリア語でパスクア
キリストの復活を祝うお祭り「復活祭」。いわゆるイースターは、イタリア語で「Pasquaパスクア」と呼ばれます。復活祭当日は、十字架にかけられたキリストが復活する日。「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」と決められているため、毎年、日付が変わります。毎年おおむね、3月~4月末にかけて。今年2015年は4月5日となっています。キリストが復活するという、キリスト教的にもとても重要なお祭りですが、冬から春に変わる時期に設定されているパスクアは、キリスト教でなくても、なんだか気分的に盛り上がるお祭りのひとつ。草木は芽吹き、動物が目をさます春。生命が、生き生きと再稼働を始める。そんな春の象徴的な日でもあります。
花粉症でさえなければ、春の訪れはウキウキするもの。イタリアでも、3月最終日曜日にはサマータイムに変わるため、日も長くなり、ポカポカ陽気の日も増えて…どうしても浮かれ気分が抑えられなくなる人続出です。青い空はもっと濃く、太陽は光を増し、イタリアが最もイタリアらしく美しく輝く季節の到来!そろそろ夏のバカンスの話題もちらほら…です。
卵チョコレートやコロンバ、パスクアの定番菓子
さて、この時期イタリアを旅行すると、あちこちでパスクアのシンボルである「Uova di Pasqua (パスクアの卵)」を見かけることでしょう。卵は、キリストが自らの肉体を犠牲にして復活し、「真のキリストの存在」を誕生させたことと、殻をやっぶって誕生するヒナをイメージさせる世界のキリスト教圏共通のアイテムでもあります。チョコレートで卵を象った「Uova di Pasqua」は、スティッチェリア(お菓子屋さん)やバールに、ずらりと並ぶ、美しくラッピングされた卵チョコ。手のひらサイズから、数メートルの高さに及ぶものまで、サイズはさまざまで、中にはソロプレーザ(サプライズ)の「おまけ」が入っています。
また卵チョコレートのほか、Colombaコロンバと呼ばれるハトをイメージしたスポンジ系のお菓子や、子羊を象ったお菓子など、なんとなく微笑ましい、可愛らしい雰囲気をまとったお菓子も登場します。季節の行事を大切にするイタリアでは、その時期ならではのお菓子に出会えるのも楽しさのひとつですね。
パスクアの翌日は、パスクエッタで春のピクニック!
パスクア当日は、敬虔なクリスチャンであれば、午前中はミサに参加します。そしてそのあとは、ほかの祭日にもれず、壮大なランチ。メイン料理には、必ず「アニェッロ(子羊)」が用意されます。これは、古代から子羊は神に捧げられる生贄だったことに由来するそう。この時期は、子羊をスペシャルメニューに掲げるレストランもあることでしょう。そして、パスクアの翌日は、「Pasquetta パスクエッタ」と呼ばれる祝日となり、郊外でピクニックをするのが定番の過ごし方。芽吹き始めた芝生を歩き、野草を摘んだり、花を愛でたり。柔らかい春の野山の香りを思いっきり吸い込んで、楽しく美味しくピクニック♪子羊のバーベキューはもちろんのこと、野生のアスパラガスやカルチョーフィの炭火焼きなど、旬の春野菜もたっぷり食べて…春の訪れを心身ともに祝います。
参考:パスクエッタの定番!カルチョーフィの炭火焼きが美味しい>>>魅惑のシチリアグルメ 癖になる野菜カルチョーフィ