欧米ではLGBTヘの取り組みをして「当たり前」
欧州や米国をはじめとした先進国では、LGBTsへの取り組みは活発に行われています。家具で有名なIKEAやジュエリーで有名なティファニーは同性カップルを広告で起用。多くの企業が人事方針や企業理念に「性的指向による差別を禁止する」といった文言を入れています。どの企業が取り組みをしているか、についてはHuman Rights Campaign という団体がCorporate Equality Index というレポートでLGBTへの取り組みをしているかどうか、独自の基準をもとに企業に点数付けをしているので、ぜひ御覧ください。面白い例を一つあげますと、バーガーキングは以前「プラウドワッパー」というワッパーを出しました。プラウドワッパーの中身は普通のワッパーと何も変わらないのですが、包み紙がレインボー色なのです。食べ終わった時に、食べた人は「見た目が違うだけで、中身は同じ」という意味が込められていることに気づくという、とてもユニークなキャンペーンです。
欧州や米国では様々な企業がLGBTsに対して取り組みを行っていますが、日本ではまだあまり取り組みが進んでいるとはいえません。横並び的な発想が強く、私たちの方にもよく「他の企業はどうしていますか」という質問を頂きます。他の企業がやっていないことだからこそ、他の企業と差別化ができ、市場シェアを広げることができるのだと私は思いますが、多くの日本企業にとっては、なかなか先陣を切ることが難しいようです。
少し話はずれますが、どんなに態度としては寛容でも、無意識に、悪意なく差別的な言動や制度を敷いたりしていることがあります。よくある例としては、異性愛者のカップルを「普通のカップル」と言ってしまうことです。ここでいう「普通」という言葉の中には「ストレートが普通であってLGBTsは普通ではない」という意味が含まれていますので、当事者に不快な思いをさせてしまいます。
また、「うちはフラットな職場環境だしダイバーシティ重視してますよ」という日本企業の方に「では、結婚祝い金は異性カップルだけでなく同性カップルにも支給していますか?」と聞いて、初めて自社がLGBTsカップルにとって差別的環境にあったことに気づき、驚く方も多いです。
日本企業は、横並び的な発想をやめ、正しい知識と認識を持ってLGBTsという新たな世界に挑戦をすることで、人々に愛着を持たれ、大事にされる企業になり、結果的にそれが収益に結びつくのだと私は思います。