世界遺産/アフリカ・オセアニアの世界遺産

アイット・ベン・ハドゥ/モロッコ(3ページ目)

サハラ砂漠を縦断するキャラバンは、クサルと呼ばれるオアシス都市で旅の疲れを癒したという。クサルは難攻不落の要塞で、敵襲はもちろん砂漠の気候に耐える工夫に満ちている。そんなクサルの中でもっとも美しいとされるのがアイット・ベン・ハドゥだ。そのエキゾティックな姿から『シェルタリング・スカイ』をはじめ数多くの映画のロケ地となった。今回はモロッコの世界遺産「アイット・ベン・ハドゥの集落」を紹介する。

長谷川 大

執筆者:長谷川 大

世界遺産ガイド

アイット・ベン・ハドゥへの道

対岸の村から望むアイット・ベン・ハドゥ

対岸の村から望むアイット・ベン・ハドゥ。右に並んでいるのはタジン鍋

■エアー&ツアー情報
日本からモロッコへの直行便はない。ヨーロッパや中東を経由してラバト、カサブランカ、マラケシュ、フェズなどに入るのが一般的だ。格安航空券で15万円前後、ツアーは20万円前後から。

■周辺の世界遺産
喫茶店や土産物屋

喫茶店や土産物屋、見学用の住居として開放されているカスバもある

一般的に、旅行者がアイット・ベン・ハドゥへの起点とするのは世界遺産「マラケシュ旧市街」のあるマラケシュで、その南東110kmほどに位置している。マラケシュからはアイット・ベン・ハドゥやメルズーカをはじめ砂漠地帯へ多くのツアーが出ている。近郊には数々のクサルがあるので、時間があったらぜひ見学してみてほしい。

マラケシュからは大西洋岸の「エッサウィラのメディナ(旧名モガドール)」(マラケシュの西約170km)へのツアーやバスもある。

玄関口をラバトにする人は「ラバト:近代都市と歴史的都市が共存する首都」、フェズにする人は「フェズ旧市街」が楽しめるし、カサブランカの南西100kmほどには「マサガン(アル・ジャジーダ)のポルトガル都市」がある。フェズからは「古都メクネス」や「ヴォルビリスの古代遺跡」も日帰り圏内だ。

 

アイット・ベン・ハドゥのベストシーズン

アガディール

丘の頂にたたずむアガディール

ほぼ砂漠地帯に位置しているので雨の心配はあまりない。マラケシュにおいて雨は12~1月、4~5月に多いが、もっとも多い12月でも東京のもっとも雨の少ない冬以下。

起点となるマラケシュの場合、夏の平均最高気温は38度、平均最低気温は20度。冬は17度と5度。最高気温はつねに日本より高いが、冬の最低気温は東京より低い。季節はもちろん、1日の中でも寒暖差が激しいので、服装には注意したい。

世界遺産基本データ&リンク

アイット・ベン・ハドゥ

階段ピラミッドのようにも見えるアイット・ベン・ハドゥ

路地

道は狭く、このような場所もある。敵の攻撃に備えてのデザインだ

【世界遺産基本データ】
登録名称:アイット・ベン・ハドゥの集落
Ksar of Ait-Ben-Haddou
国名:モロッコ
登録年と登録基準:1987年、文化遺産(iv)(v)

【関連サイト】
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