ひと昔前は寒い季節になると道端や公園で落ち葉焚きをしながら焼き芋を焼く光景をあちこちで見ることができました。しかし現在では落ち葉を焚ける場所も限られており、なかなか手軽に芋を焼くことはできません。なので、せっかくアウトドアに出かけたらぜひおいしい焼き芋を作って楽しんでみてください。

とはいえ、落ち葉焚きで芋を焼くには長時間の根気とコツが必須。しかし、空き缶を使えばとっても手軽に簡単においしい焼き芋ができるのです。使うのはアルミ缶のみ。ぜひ試してみてください。


甘味を引き出すコツは低温加熱。
でも、それだけは本当においしい焼き芋はできない!?

空前の焼き芋ブームとなった2015年。コンビニエンスストアやスーパーで焼き芋が売れに売れました。これまでのメインの品種ベニアズマのほかに、しっとりそしてねっとりとしあ口当たりと甘みの強い安納芋やベニハルカなどが市場に出回るようになったというのがその理由だと言われています。

焼き芋

焼き芋の甘味を引き出す秘密は温度。でも、それだけは本当においしい焼き芋にはなりません

さて、このさつまいもですが、甘味を引き出すコツは低温でじっくりと加熱すること。サツマイモに含まれているアミラーゼは70度前後で活発に活動しでんぷん質を糖に変えるのです。なので自宅の電子レンジやオーブントースターで焼き芋をつくるときもこの低温さえ守れば、まるでお菓子のように甘いスイートポテトが完成します。

しかし、筆者が思うに本当の焼き芋のおいしさは甘味だけにあらず。あの独特のスモーキーフレーバー、焚き火でしっかりと燻された香りにこそおいしさの秘密があるのです。

だから、焚き火が熾火(炎があがらず、チロチロと燻っている状態)になった状態こそがまさに最適!野外だからこそ味わえる最高の焼き芋が完成するのです。


アルミ缶で絶品焼き芋ができる!

空き缶と焼き芋

空き缶で作ったしっとり甘い焼き芋。スモーキーな香りが食欲を刺激

そこでおすすめするのがアルミ缶を使った方法です。ビールの空き缶のプルトップ側を缶切りでぐるっと開けます。このとき、後でフタができるように一箇所はつないだままに。ここにサツマイモを入れたら先ほどのフタを閉めて火にくべるだけ。

アルミ箔よりも厚みがあることで熱が全体に柔らかくまわり焦付きすぎを防ぎます。また、芋と缶の間に絶妙な空間が生まれることで芋の水分がしっかりと全体に行き渡るのです。さらにプルトップの穴から入り込む煙がスモーキーフレーバーを運んでくれるというおまけつき。

じつはこれ、昭和のはじめ頃にブームになり今でも一部に熱烈なファンがいるという「壺焼き芋」の製法にかなり近いのです。

ただし、燃えさかる炎のなかに芋をくべるのは禁物。燠になった炭で缶をぐるっと囲むようにするのがポイントです。こうしてじっくり火を通せば、火加減にもよりますがだいたい40分から1時間程度でしっとり甘くて、香ばしい絶品焼き芋が完成です。

注意する点は3つ。
  • 缶切りで開けた切り口は鋭くケガしやすいので、必ず革手袋や軍手などで手を保護すること(焚き火するときも)。
  • 必ずバケツに水を汲み置いて火の用心に注意すること(後始末も完璧に!)。
  • 直火禁止の場所では専用の焚き火台やバーベキューグリルなどを利用すること

おいしい芋を手に入れたら日がな1日、ビールを傾けつつ、火の番をしながら焼き芋づくりを楽しむはいかがですか?

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