食育/食卓でできる子育て

親子一緒に料理すると向上する!子供の能力3つ(2ページ目)

毎日の食生活の中で親子一緒に料理をすることで、子供の表現力・集中力・創造力の3つの能力は大いに発達していきます。子供時代のお手伝いを通じて親とのコミュニケーションをよくした子供ほど、自分の考えを分かりやすく説明したり、感情のコントロールする能力が高い大人になる事がわかっています。親子料理経験の大切さとは?

浜田 峰子

執筆者:浜田 峰子

食育ガイド

2.集中力があり忍耐強い子供に

ひとつの作業を丁寧に集中

ひとつの作業を丁寧に集中

親子一緒にひとつの作業を時間や量などの目標を設定して丁寧にすることで、集中力がついていきます。作業をしていて気づいた時には時間がたっていたという経験と、最後までやりきることができたという達成感の積み重ねが集中力を高め、作業自体が楽しくなり自信もついていきます。例えば、1~2才でもできるプチトマトやイチゴのヘタを取る・枝豆をサヤから出すといった作業なら、1パックや1束をまかせるなど目に見える目標を設定しておくといいでしょう。ケーキの生地や卵をまぜる作業なら粉が見えなくなるまでまぜてね!と声かけをしておくと作業の終わりが見えやすくなり、最後までやりきった子供は達成感を感じやすくなります。

また、食卓の準備と後片付けをさせることも、決められた時間内に必要なものを出して並べたり、使ったものを元の場所に戻すという作業が集中力を高めます。よく使う食器は、子供が出し入れしやすい高さに収納しておくことで作業がしやすくなりお手伝いへの意欲も増します。

集中してひとつのことを達成できた子供には、次の作業へ取り組む前向きな意欲もわいてきます。「幼児期の集中の経験と小学校での学習」に関する調査結果※では、幼児期に集中して取り組み、身の回りのさまざまなことに興味を持つ経験は、小学校に進学してからの「机に向かったらすぐに勉強にとりかかる」「勉強が終わるまで集中して取り組む」といった、「良い学習習慣の定着に関係している」と発表されています。ひとつの作業に集中して取り組むことは忍耐が必要なことでもあるので繰り返し経験していくことで、集中して忍耐強くひとつのことに取り組むことのできる子供に成長します。

【参考引用文献】
※ベネッセ教育総合研究所 「幼児期の集中の経験と小学校での学習」

3.創造力があり思考力が発達した子供に

料理はそれ自体がいくつかの材料を組み合わせながら、調味料との相性を考え、段階を追って最終形を創り出すという、思考力をはたらかせる創造的なものです。
親子で一緒に料理をしながら、料理のプロセスを見せて興味を持たせることは子供の創造力を高めます。年齢的にまだ危ないからとキッチンから遠ざけるのではなくハイチェアに座らせるなどして安全な位置において料理のプロセスも積極的に見せましょう。

例えば、熱したフライパンで肉を焼くと色が変わったり、卵を割り入れると固まったり、パンをトースターで焼くと香ばしいにおいがします。親にとってはあたり前の事も、実はひとつひとつが科学的な変化によって起こるもので、子供にとっては五感と好奇心を刺激されるものばかりです。

また、料理をし終わった後に、切ったネギの根の部分やニンジンのヘタを捨てずに水につけておくと、新しく根が伸び葉が出てきます。こうしたことも、何かを工夫してあらたに創り出す創造力を高めることができるだけでなく、親から子供へ植物の生命力や食べ物の大切さなどを教えることができます。

このように親子一緒に料理をする中で、子供が実際に目にしたり興味を持ったものについて、「なぜそうなるんだろう?」「どうしてこうなったのかな?」と考えていくことで創造力が発達し思考力が高まります。さらに、市民科学研究室※によると、料理をする中で科学の知識も身につくということがわかっています。

【参考引用文献】
※NPO法人市民科学研究室「実験しながら料理を作る楽しい食育プログラム」


いかがですか? 親子で一緒に料理をすることは、こんなにも子供の能力を向上させる重要な機会だということがよくわかりますね。ぜひ皆さんも親子一緒に料理をする時間を大切にして下さい。
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