北陸新幹線の沿線は名酒の故郷だらけ!

車窓

車窓からは立山連峰が

北陸新幹線開業。新しい駅を見てみれば、実に、名酒の故郷がずらり並んでいることに気が付く。開業を記念して、各駅のおすすめ地酒をピックアップしてみよう。

第一弾の飯山駅と上越妙高駅編に続き、今回の第二弾は、新潟県の糸魚川駅、富山県の黒部宇奈月温泉駅の地酒だ。


日本酒のドメーヌ!根知男山

糸魚川市には5軒のお蔵元がある(新潟県酒造組合員)。その名も「謙信」ブランドで知られる池田屋酒造(株)は創業1812年(文化九年)、「雪に舞う鶴のように麗しく気高い酒質」から名付けられた「雪鶴」の田原酒造(株)、純米酒造りに力を注ぐ「月不見(つきみず)の池」の猪俣酒造(株)、新潟の酒蔵の中で最も古いとされる創業慶安3年(西暦1650年)の「加賀の井」の加賀の井酒造(株)。

そして、今回特におすすめしたいのが全国の「男山」と名付けられる清酒のなかでも人気の高い「根知男山」の渡辺酒造店だ。

おすすめ理由は、地元の根知谷にて、みずから米を育て、酒を造る、いわゆるワインでいうところのドメーヌ方式をとるお蔵元だから。日本酒造りにおいて、米は地元の米よりも優良とされる他地域の米(たとえば兵庫の山田錦など)を購入し、輸送し、使用することが多い。最優良の米からは当然ながらいい酒ができるのでいい酒を造ろうと思えばこの方法をとることになるのだ。また、地元の米であっても米造りは農家にお任せし、蔵は醸造のみというところも多い。

しかし、地元の米に思い入れを持ち、みずから地元で地元米を栽培し、そして地元の水と地元の気候風土と地元の人の伝統技術で醸すお蔵元がある。フランスワインなどで自らブドウを栽培し、そのブドウでワインを醸造する造り手をドメーヌと呼ぶためそれを真似て、そう表現することがある。地元の米は「根知谷産 五百万石」「根知谷産 越淡麗」。

おすすめのお酒は「根知谷産 越淡麗」を100%使用した『根知男山 越淡麗 純米吟醸』。通常の五百万石、通常の新潟酒と比べると、ややコクと力強さがある。しかし日本海の雪具の酒らしいみずみずしさや洗練された華やかさを併せ持つ。
また、同銘柄で「純米吟醸」「純米酒」「吟醸酒」「本醸造酒」などの特定名称酒を味比べもできるところも楽しい。

 

ちなみに全国各地に「男山」と名付けられた酒が多いのは、江戸時代に全国に名をはせた名酒が「男山」というブランド名で、その蔵が明治に廃業した際、「男山」ブランドを継承した造り手が全国各地に多くあったためだ。いずれにせよ「男山」は江戸以来名酒美酒の代名詞でもある。