最新の蔵「人気一」の素顔とは?

人気一の印象的なロゴ。インテリアになる日本酒がコンセプト

国内の日本酒蔵が、毎年、いや毎月といってもいいくらいのスピードでなくなっている日本酒受難の時代において、あたらしくオープンしたというお蔵がある。なんと無謀な、いえいえ、なんとやる気のあること・・・。日本酒好きには本当にうれしいお話・・・ということで早速お蔵拝見にうかがった。

「人気酒造」のエントランス。赤い看板が目立つ。
場所は、福島県、二本松市。
え? 二本松と言えば、有名な伝統蔵がたくさんあるところでしょって? 
はい、そのとおり。さすが日本酒・焼酎サイトのユーザーの方はよくご存知。

福島県の北に位置する城下町の二本松は『智恵子抄』にも詠われた西の安達太良連峰、東の阿武隈山系を望み、その中央を阿武隈川が流れる美しい土地柄。美味しい水と夏でもクーラーいらずの気候風土が質のいい日本酒を生み出している。

そう、二本松は良質の日本酒のふるさととも言える場所なのだ。有名蔵元としては、智恵子の生家である蔵・花霞(今は酒造りはしていない)をはじめ、大七酒造、奥の松酒造、千功成酒造、大内酒造がある(ひとつの町に4蔵というのもなかなかすごい)。

昔のまま。ステキな雰囲気の大内酒造のたたずまい。
で、迎えてくれたのは・・・。
え? 
ゆ、遊佐さん?
奥の松酒造の遊佐さんではないか。

おまけに、連れていっていただいたお蔵には大内酒造の看板が・・・。

そうなのだ。
明治30年創業の(有)大内酒造の代表でもあり製造部長でもある大内達(すすむ)氏と、全国的にも海外にもファンの多い奥の松酒造(株)を卒業した遊佐勇人氏がタッグを組み新しいブランドを立ち上げたのだ。

新しいお蔵の名前は「人気酒造株式会社」
銘柄は「人気一(にんきいち)」
個性的な名前だけど、ちょっと覚えやすくて、なんかあたらしくて、いいじゃない。

代表取締役社長と製造部長を兼任する大内氏と、同じく代表取締役としてそのほかの部門を一手に引き受ける遊佐氏が、長年の日本酒造りの経験を生かして、同じ二本松で産声を上げさせたニューフェイス蔵というわけだ。造りは大内酒造をそのまま使用し、新しい事務所で販売・営業他を管理するというシステム。


蔵からの眺めはまるでピエモンテのバローロのよう!

小高い丘に位置するお蔵。四季折々の表情が酒造りにも反映される。
「どう、この蔵からの眺め。ある人にバローロみたいだって言われたんです」と笑う遊佐さん。

もともと大内酒造がある小高いお蔵の位置から四方に水田を望むロケーションは、本当にイタリア、ピエモンテの銘醸ワイン産地バローロにそっくりだ(一昨年行ったからなおわかる)。バローロはブドウ畑だけど、ここはたわわに実るお米という違いはあるけど・・・。

お盆過ぎの雨にけぶる稲田は青々と瑞々しくまったく実に生き生きとしていて、息をのむ美しさだ。
雨にけぶる田んぼ。だんだん田んぼが美しく本当にバローロのぶどう畑を思い出す。