習い事の位置づけをどう考えるか
習い事は「居場所」、友だちとの関係だって大事!
また、習い事と言うと、つい学校生活の補完的なもの、付随するものと考えがちですが、子どもにとって家庭と学校以外に居場所がある、自分の好きなことをできる場所があるというのは、実は大事なことでもあります。自分の得意なことを自覚し、色々な場所で友人をつくり、色々な先生、大人がいることを知ることのできる場所。習い事は、たとえば中高生にとっての部活のように、純粋なお稽古以上の意味をもつことがあります。都会の子ども生活においては、習い事はもう不自然なことではないのです。
では、習い事はいくつが適正?
ぼーっとする時間だって、子どもには刺激いっぱいの時間
以前、ワンストップ型の高級民間学童の経営者が、非常に仕事のできる保護者が小学校低学年の自分の子どものタイムテーブルを見て「この曜日のこの時間とこの時間には何もお稽古が入っていなくて、それではただ『いる』だけになってしまうから、何か習い事かアクティビティを入れて欲しい。もうやることがないなら何か新しいアクティビティを開発して欲しい」と要求してきた、とこぼしていました。
「パラパラと本を読んだりスタッフや友だちとのんびり話をしたりしていて、それが子どもにとって落ち着く時間であることも多いのに、それをただ『いる』だけと感じるのは、スタッフとして残念だ。ワーカホリックの感覚で、子どもの時間が24時間常に何かのアクティビティに占められてスケジュールが真っ赤な状態が充実していると考えるのは、違うのではないか」という話でした。
ワンストップ学童のような「保けいこ」を選択するにしてもそうでないにしても、小学生のような小さい子どもの習い事は、暮らしのエッセンスでいいのではないかと思います。毎日いくつも掛け持ちするような状態は、大人だってイヤですよね。楽器のお稽古には家庭での練習もつきものですから、習い事を一つしているだけでも家庭に持ち帰る作業があるものです。習い事が学童とセットになっているとしてもせいぜい一日おき、何か習い事をしたら翌日はぼーっとできる時間が持てるような、週2、3日程度で充分なのではないでしょうか。
選択肢が多くなるとあれもこれもと欲張りたくなる気持ちがむくむくと現れるものですが、大人の自分ではなくて幼く体力もない子どもの立場になって、負担感なく楽しめる習い事を一緒に考えてあげるのがいいでしょう。周りがやっているから、不安だから、お得だから、などと習い事に振り回されるのでなく、親子が主体的に習い事を選ぶことができれば、親子にとって満足度の高い習い事ライフを送ることができるのではないかと思います。
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