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『アメリカン・スナイパー』とイーストウッド特集(3ページ目)

第87回で音響編集賞を受賞したクリント・イーストウッド監督作『アメリカン・スナイパー』。日本でも2015年2月21日公開以来、ヒット街道を邁進しています。そこで今回はクリント・イーストウッド監督作をピックアップしてみました。

斎藤 香

執筆者:斎藤 香

映画ガイド

イーストウッド主演で輝きを放つ2作品


『許されざる者』(1992年度作品)
1882年、妻に先立たれた元ガンマン(クリント・イーストウッド)が、若いガンマンの誘いで、元相棒(モーガン・フリーマン)も連れて再び銃を手に賞金稼ぎをすることに……。

一世を風靡した西部劇を復活させたクリント・イーストウッド。ほどよく枯れつつも男の色気をほんのり漂わせ、まったくやり手のガンマンに見えないのに、様々な出来事を経て、徐々にガンマンの血がたぎっていくのがいい感じです。

西部劇は男の世界、女は刺身のつまみたいな扱いですが、様々なキャラクターの男たちを見ているうちに、女がしゃしゃり出てくる場所じゃないなと思ったりして。老年ガンマンは若いガンマンのような肉食のギラギラ感はなく、逆にお年をめしているので、「大丈夫か」と、ハラハラ感が高まりますが、最後はガンマンらしくきっちり決めてくれます。

監督:クリント・イーストウッド 出演:クリント・イーストウッド、ジーン・ハックマン、モーガン・フリーマン、リチャード・ハリス、ジェームズ・ウールヴェットほか

『グラン・トリノ』(2008年度作品)
朝鮮戦争帰還兵の老人(クリント・イーストウッド)が毛嫌いしていたアジア人家族と交流を築いていく様を描いた主演・監督作。

頑固親父を演じるイーストウッド、悪態をついてばかりのユーモラスな一面に笑いつつ、孤独な老人にとって最後の家族的存在になったアジア人一家のために、彼がすべてをなげうつ姿は胸を打ちます。人種差別を乗り越え、勇気を全うした主人公の生き様に泣ける! 

主人公の宝物である愛車グラン・トリノが、この映画の最後に輝きを与えていて、さすが巧いですね。賞レースには乗りませんでしたが、味わい深い良い映画です。

監督:クリント・イーストウッド 出演:クリント・イーストウッド、ビー・ヴァン、アーニー・ハー、クリストファー・カーリー


イーストウッドの初期の作品はまたいずれ特集したいです。ほか、『インビクタス/負けざる者たち』『スペース・カウボーイ』もいいですよ。そうそうメリル・ストリープとのラブシーンにビックリ仰天の『マディソン郡の橋』も! 作品もバラエティに富んでいて、どれを見ても楽しめるイーストウッド監督作。ぜひご覧ください。
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