すべてのコルベットファンが憧れる特別な1台
コルベットファンにとって、Z06というネーミングは、特別だ。古くは第2世代のC2スティングレイにおいて、それはレーストラックを目指す特別なユーザーのためのオプションパッケージコードだったし、C5以降では高性能グレードの名称となった。言ってみれば、すべてのコルベットファンが憧れるモデルが、Z06というわけである。先代、つまりC6において、Z06は昔ながらのアメリカンスポーツカーのアイコンとなった。7リッターという大排気量自然吸気エンジンを積むモンスターで、アメリカンマッスルの権化だったからだ。
後を継ぐ、現行型コルベット、すなわちC7のZ06はしかし、旧型のZ06とは少しイメージが違っている。
まずは、ガイドリポートによる現行コルベットの実力を復習してみて欲しい。お分かりだろうか。C7コルベットは、ノーマルモデルで既に前作のZ06に匹敵する性能を得ている。ボディ骨格やシャシーは、ノーマル状態でも従来のZ06に勝る進化を遂げていた。だから、ベースモデルに初めて乗ったとき、筆者はこうも思った。「コイツのZ06バージョンが出たら、凄いだろうな」、と。