最新アメリカンマッスルのワイルドさをみた

シボレー コルベットZ06

ウェザー、エコ、ツアー、スポーツ、トラックの5種類が選べるドライバーモードセレクターを、Z51同様に標準装備とした。ローンチコントロールはトラックモードで使用可能

が、しかし。ひとたびアクセルペダルを踏み込んでみれば、洗練されたキャラクターなど、どこかへ吹き飛んでしまったようだ。それまで猫なで声だった猛獣が、いきなり牙をむき出しにして襲いかかってきた。

その加速、FRで敵無し。メーカー発表値の0-100km/h加速数値3秒弱は、ダテじゃない。人とクルマとがより密接な関係にある高性能ミドシップモデルの3秒とは、まるで違う3秒だ。なにせ、強大な力を発し続けるエンジンと、そのパワーを遠慮会釈なく路面へ叩き付ける後輪との間に、ドライバーはちょうど板挟みになって、必死にコントロールしようとしているのだ。もちろん、昔のマッスルカーのように、タイヤがバーンアウトして前に進まない、なんてことはない。そこは、優れた電子制御のおかげで、少しは滑りつつも、しっかりと路面を捉えて前へ前へと進んでいくわけだが、その進み方に、やはりえも言えぬスリルがある。力と力の間でドライバーがねじ切れそうな、そんなスリルだ。

FRのスポーツカーで3秒を切るとなると、空気を切り裂く感覚もハンパない。空力のいいミドシップカーとは、比較にならぬ抵抗感があって、さらなるスリルを呼び込む。空気の壁をムリヤリこじあけていく感覚に、最新アメリカンマッスルのワイルドさをみた気がした。

優れたシャシー制御と、ありあまるパワーを使ってのハンドリングもまた、新型Z06の楽しみのひとつ。これまたミドカーにはない、豪快なハンドリングを楽しむことができる。

忘れてはいけないのが、ブレーキ性能の高さだ。特に、ブレンボ製セラミックローターを持つブレーキシステム搭載車は、踏むたびに行く手を硬い壁で遮られ、地面に強力な磁石で張り付けられるような制動フィールである。これがあるから、またFRの700ps近くを踏んでやろうという気になる。

アメリカが、ついにその底力を見せつけはじめた。そう、半世紀前のように!
シボレー コルベットZ06

コスワース社と共同開発された、サーキットの技術向上に役立つパフォーマンスデータレコーダーも搭載。カメラや遠隔測定システムを用い走行を記録、自分の走行データを確認、分析できる

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