尊敬する玉野さん、そして仲間たちとともに“原点回帰”のショーを作りたい
『Club Seven 7th』より 写真提供:東宝演劇部
「マイケルもそうですし、あと、大声で全力の芝居をする“全力家族”というのをやったんですけど、それもお客さんが大笑いしてくれましたね。あとは第七回公演の2幕の頭で『妖怪』という、ロミオ&ジュリエット風の内容のミニ・ミュージカルをやったんですが、20分ぐらいの間、踊りだけで表現する役だったんです。言葉なしでどこまで、動きと表情とダンスで玉野さんの意図を僕が表現できるか、は大きな挑戦でした」
――1幕2幕とも圧倒的なボリュームで、それが息つく間もなく展開してゆきますが、途中で振付を失念されたりということがないのも凄いですね。
「1か月間稽古しますから、覚えますよ(笑)。それにこのカンパニーは厳密で厳しいんです。少しでも立ち位置が違ったり遅れたりすると、すぐ玉野さんやスタッフの方に指摘されます。アドリブはほとんどやっていませんが、演出でワンシーンだけ、意図的にメンバーに無茶振りをするコーナーはありましたね。監督役の玉野さんが、突然“これを動物で表現しなさい”と言って、指名された相葉裕樹君や佐々木喜英君が慌てふためいていました(笑)」
――今回のキャストは9人。玉野さん、東山さんのほか西村直人さん、中河内雅貴さん、相葉裕樹さん、佐々木喜英さん、大山真志さんに加えて女性陣が白羽ゆりさんと蒼乃夕妃さん。皆さん、コメディ・センスのある方々ですね。
「玉野さんもそういうところでキャスティングしたいとおっしゃっています。いわゆる“出来る人”より、エネルギーのある人と一緒にやりたい、と。今回は蒼乃さん以外はご一緒したことのある方々で、気心も知れています。玉野さんや、玉野さんを10年以上支え続けている西村さんとの絡みも楽しみだし、蒼乃さんもダンスの名手と聞いているので、一緒に踊るシーンがあるといいですね。白羽さんとも芝居で絡みたいです。あと、この中では中河内君と仲がいいというか、5作品くらい一緒にやっていてプライベートでもよく会っている、弟みたいな存在なんですよ。彼がどれだけ『CLUB SEVEN』をかき回してくれるか、期待しています」
『Club Seven 5th』より 写真提供:東宝演劇部
「一言でいえば“総合エンタテイメントショー”なのでしょうけれど、3時間弱の中で笑いありスタイリッシュな面もあり、ふつう舞台の上でやろうとも思わないようなことも“お客さんが楽しんでくれるのだったらやろう!”とお見せしてしまう、フルコースのショーだと思います。こういうショーでこれだけ続いている公演といったら、『CLUB SEVEN』以外にはあまりないですよね。玉野さんが脚本を書いたり演出しているなかで“こういうことも、ああいうこともやってみたい”とどんどん湧き出てきたものがおもちゃ箱みたいに詰め込まれて、歌も踊りも芝居も観られるというのが『CLUB SEVEN』の魅力だと思います」
――舞台人として、玉野さんは東山さんにとって大きな存在ですね。
「22歳で、右も左もわからない中でこの世界に入って、『CLUB SEVEN』のみならず、僕が始めた『DIAMOND☆DOGS』というグループの公演や他の舞台でも演出していただいて、とても縁のある方なので、影響を受けてないということは絶対ないですね。ショーを作るときには、かっこいい部分だけではお客さんがしんどくなってしまうので、バカな部分も作らないといけない。けれどずっとバカばかりなら、それは僕たちがやらなくていい。また、この人がいるからこのナンバーをやる、という意識を常に持つ、といったいろいろなことを学ばせていただきました。
『CLUB SEVEN』というライフワークが芯にあって、そのうえで他の仕事もこなしていらっしゃるスタイルにも共感できるし、この前も玉野さんと対談取材を受けたときに“続けることの大変さ”をおっしゃっていたけど、自分もグループをやっているので本当にそう思います。尊敬している方です」
――どんな舞台にしたいと思っていらっしゃいますか?
「今回、10回目を迎えるにあたって、玉野さんは“原点に帰るための『CLUB SEVEN』にしたい”とおっしゃっています。このショーは1回1回、お客様と一緒に作っていける舞台だと思うので、初日から千秋楽まで、皆さんと一緒に新たな『CLUB SEVEN』を作っていけたらと思います。“原点回帰のCLUB SEVEN”を、この9人でお見せしますよ。個人的には、僕は大阪出身なので、大阪魂に火を付けられるようなコーナーがあるといいですね。みんなを笑かせたいです!」
*次頁で東山さんの「これまで」をうかがいます。意外や意外、少年時代はスポーツとは無縁の文化系だったのだそう!