東大・赤門からほど近い立地の「食堂もり川」

赤い文字が目を引く同店店頭

赤い文字が目を引く同店店頭

丸ノ内線の本郷三丁目駅。真っ先に思い浮かぶのは東京大学です。駅から5分ほどで東大の象徴・赤門あたりに辿り着きますが、さらにそのまま歩を進め、郵便局の前にある信号を左に曲がると、「食堂もり川」の看板を見つけることができます。駅からは7分くらいの立地ですね。

わたしは時間を見つけては老舗店巡りをしていますが、100年超えの老舗となると、「そば」「すし」「うなぎ」「天ぷら」という4種類の店が多いのが現状です。この4つを“江戸の四大食”と評する人もいます。そんな中、今回は珍しい「食堂」のご案内です。外観に老舗の雰囲気はあまり感じませんが、こういった街の食堂風情……悪くない(というか個人的に好き)です。

創業は1901年(明治34年)

東大・赤門

東大・赤門

食堂もり川の創業は1901(明治34)年。東大で弁当を販売していたのが同店のルーツです。食堂を始めたのは大正に入ってからのこと。同店の看板には、店名の右側に「東大生と共に明治から」という文字がキャッチフレーズのように付記されています。この短い言葉こそが同店の背景をすべて言い得ていますね。

そんな同店が営業を開始した1901年とは、どんな時代背景だったのでしょうか……。この年、第1回ノーベル賞の授賞式が行われています。受賞者はX線を発見したウィルヘルム・レントゲン(物理学賞)など。日本では官営八幡製鉄所が開業。滝廉太郎作曲の「箱根八里」や「荒城の月」が流行歌となった史実も。そんな20世紀のスタートしたこの年、食堂もり川もその歩みを始めています。ちなみに、こちらの連載ですでに紹介した新宿「中村屋」の創業も同じ年です。

では、本郷の老舗食堂へと参りましょう。