さわる絵本はとっても刺激的!
絵本は誰かに読んでもらうもの。だから読者は目と耳で絵本を味わう訳ですが、エリック・カールの作品はそれだけではありません。何度も触って触感を楽しむ絵本が発表されています。そんないつもと違う絵本の楽しみ方は、絵本を読み慣れているお子さんだけでなく普段絵本をあまり読まないお子さんにも大好評。これまでに絵本から感じたことがないような新鮮な刺激を受けるようです。指先で感じる絵本『くもさんおへんじどうしたの』
巣作りに大忙しのくもさんは、農場の動物たちが声をかけてもお返事もできません。絵本では、誰の誘いにものらず黙々と糸をはりつづけるくもさんの様子が描かれます。馬・牛・ぶたなどお馴染みの動物が次々登場する楽しいお話ですが、1番のお楽しみはくもの巣にあります。紙面から浮き出たくもの巣にさわりながらストーリーを追うという趣向です。透明でキラキラ輝くくもの巣はそれだけでも美しいのですが、お話を聞きながら目をつぶり指先に神経を集中してくもの巣をなぞっていくと、巣が大きくなっていく様子がよくわかります。実際にやってみるとなんとも不思議な感覚で、大人でもとても面白い! 最初はお話よりもこのしかけに夢中になるお子さんが多いかもしれませんが、絵本としての面白さや芸術性も申し分のない作品なので、しかけに気を取られていたお子さんも、次第にお話の世界に入り込んでいくことでしょう。
【書籍DATA】
エリック・カール:作 もりひさし:訳
価格:2592円
出版社:偕成社
推奨年齢:3歳くらいから
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自分の体を意識できる『できるかな?あたまからつまさきまで』
エリック・カールが考える「さわる絵本」は、どうやら絵本の紙面に触るだけではないようです。自分の体を意識しながら動かしたり触ったりして楽しむという絵本があります。それが『できるかな? あたまからつまさきまで』です。この作品では「できるかな? できるかな?」のリズムにのって動物たちが楽しく体を動かします。「できるかな?」と聞かれるのですから、読者も主人公と一緒にちゃんとできるところを見せなくちゃ!頭をくるりと回したり肩を上げたり下げたり、体のあちらこちらをさわりながらみんな一緒に体を動かしていきましょう。体操のようなダンスのような楽しい動きが病みつきになりますよ。ただ目で追いかけるだけでない読み方が楽しい作品は、大勢への読み聞かせにも向いています。
【書籍DATA】
エリック・カール:作 工藤直子:訳
価格:1296円
出版社:偕成社
推奨年齢:3歳くらいから
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