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副業を始めたマリオに大事なことは(3ページ目)

任天堂は2014年1月30日に行われた経営方針説明会及び第3四半期決算説明会 で、IP資産を積極的に活用していくと宣言しました。これはつまり、ライセンス事業を強化するということです。これによってマリオはベンツにパズドラと、コラボの連続で大忙しです。このライセンス事業拡大路線、成功のカギはどこにあるのでしょうか?

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

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人気のあるマリオでいるためには

スーパーマリオギャラクシーの図

ゲームが苦しいから、ライセンス事業を…ではやっぱりうまくいきません。なおさらゲームで頑張る必要があるんです(イラスト 橋本モチチ)

過去にドラゴンクエストとマリオの両シリーズが共演した「いただきストリートDS」等、例が無いわけではありませんが、それでも、ライセンス事業を強化すると宣言してから間もなく、そして立て続けに、マリオやゼルダのコラボタイトルが続けて登場しているわけで、これは非常に象徴的です。しかも、パズドラと言えば、3DS版もあるとはいえどもやはりスマートフォン向けとして有名なタイトル。ライセンス事業に関して、これまでよりも柔軟に対応していくその姿勢を見せるのに十分な事例と言えます。

しかし、他社のゲームにまでマリオ達が出ていくとなれば、当然任天堂がこれまで自社だけで行っていたクオリティコントロールの外に出ていくことになります。万が一にも粗製濫造ということになれば、これまで築き上げたブランドに傷がつくこともあり得ます。ブランドが維持できなければ、ライセンス事業もおぼつきません。

その為には何をするべきなのか。もちろん、ライセンス先に対してどう監修していくか、というようなこともあるかもしれませんが、より重要なのはマリオ達の本業ではないでしょうか。マリオはゲームが面白いから人気が出たのです。ですから、結局のところ、任天堂は面白いゲーム、そして世界中の人が遊ぶゲームを作るしかありません。マリオはその面白いゲームに登場し続けてこそ、人気のあるマリオなのです。

おそらく、ライセンス事業の拡大という路線は、専用ゲーム機市場の成長が任天堂の思うようにいかないという現状から選択されたと推察されます。しかし、ゲームが売れなければ、ライセンス事業もうまくはいきません。

任天堂のライセンス事業拡大路線が、どんどんキャラクターの価値を消耗していくだけのジリ貧で苦しくなっていくのか、それとも、より多くの人達がキャラクターや世界観に触れ、それによってゲームを遊ぶ人が増える好循環を呼ぶのかは、結局、マリオ達の本業にかかっているのではないでしょうか。

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