宝塚ファン/宝塚歌劇団 トップスターの変遷

宙組トップスター・凰稀かなめ――退団(5ページ目)

2015年2月15日(日)宙組トップスター・凰稀かなめさんが、ミュージカル『白夜の誓い ―グスタフIII世、誇り高き王の戦い―』、グランドショー『PHOENIX 宝塚!! ―蘇る愛―』の千秋楽(東京宝塚劇場)にて宝塚歌劇団を退団しました。

桜木 星子

執筆者:桜木 星子

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緒月遠麻

凰稀かなめさんにとってもう一人の相手役、それが緒月遠麻さんでした。
同期生で、下級生時代を同じ雪組で育ち、本公演、新人公演などでも組むことの多かった二人。羽カツラに黒のダルマ姿が妖艶な『タカラヅカ・ドリーム・キングダム』の夜の女王など、つい昨日のことのように思い出されます。お互い組替えはあったものの、再び宙組で一緒になり、こうして退団同期になるとは……。

三枚目から渋い男役まで、なんでもござれの緒月遠麻さん。雪組『ロミオとジュリエット』では、凰稀かなめさんと同じくティボルトをパワフルに演じ、『銀河英雄伝説@TAKARAZUKA』では、ヤン・ウェンリーをかっこよく好演。『ベルサイユのばら-オスカル編-』ではアンドレとアランの二役を。凰稀オスカルとの「今宵一夜……」の場面での優しさ、温かさは秀逸でした。

当り役は『ニジンスキー~奇跡の舞神~』の渋いおじ様、セルゲイでしょうか。ニジンスキーのパトロンで恋人という異色の設定を、「こうした愛し方もあるのね…」と納得させてしまうあたり、緒月さんの演技力や舞台人としての品格に他なりません。

凰稀かなめ 鳳凰美伝

(C)宝塚歌劇団 (C)宝塚クリエイティブアーツ

トップスター・凰稀かなめのそばに緒月遠麻というスターがいたことは、作品にとっても宙組にとっても、そしておそらくお互いにとって一番、実りのあるものだったに違いありません。


さて、宙組トップスター・凰稀かなめとは……時代の流れと共に多様なジャンルの作品が生まれてきましたが、宝塚らしいオーソドックスな作品をきっちりと演じられる舞台人でした。また、豪華絢爛で優雅な宝塚歌劇の魅力を最大限に表現できる格別のトップスターでした。

華やかに美しく凰のごとく羽ばたいたトップスター、凰稀かなめさん。そして退団者の皆さん。ありがとう。お疲れ様でした。


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