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スターの登竜門!NBA全国バレエコンクール 後編

1998年にスタートし、以来数々の才能を発掘してきたNBA全国バレエコンクール。1月に開催される本戦はローザンヌの前哨戦ともいわれ、毎年大きな注目を集めています。全国から集うスター候補たちの中から、頂点を極める逸材とは……? コンクール運営委員長・久保栄治さんにお聞きしました。

小野寺 悦子

執筆者:小野寺 悦子

バレエガイド


近頃はローザンヌ国際バレエコンクールの前哨戦ともいわれ、実際上位入賞者を多く輩出しています。過去の参加者のなかでも特に印象に残っている方といえば?

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二山治雄さん

久保>本当に沢山います。去年はローザンヌで優勝した二山治雄さんが高校生男子の部で一位になりました。コンクールでは拍手をしてはいけない決まりになっていますが、彼のときは思わず拍手が沸いてましたね。

二山さんはターンが非常に独特なので印象に残っています。ターンも前側で集める、後ろ側で集めるといろいろあって、ルジマトフなどは背中の後ろ側を引き上げる回り方。彼らは普段ロシアで斜めの舞台で踊っているので、少し後ろに重心を持ってくる必要があるんです。だから、ちょっとお腹が緩んでいるように も見える。バリシニコフもロシアではそうだったけど、アメリカに移って
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菅井円加さん

からは前も背中も完璧にフラットな状態で回ってる。二山さんはルジマトフタイプで、コントロールしながらゆっくり回ってましたね。

ただ二山さんにしても去年いきなり賞を取ったのではなく、これまで何回も出場を繰り返してきました。同じくローザンヌで賞を取った菅井円加さんも素晴らしかったけど、彼女の場合も何回も参加していた。みんないきなり入賞したのではなく、繰り返し出場してようやくあそこまでいったんです。

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五十嵐大地さん

去年、過去最高の偏差値を取った男の子がいました。五十嵐大地さんとい う方で、当時小学六年生。例年どんなに良くてもだいたい偏差値67くらいですが、彼は偏差値80までいってしまった。本当にすごかったですね。アラセゴンターンからのアチチュードピルエットも全然ブレない。バリシニコフと同じくらいの衝撃でした。私が見た中で過去最高だと思います。審査員全員が100点を入れたのではないでしょうか。現在はロイヤル・バレエ学校に留学中ですが、彼は今後日本の星になるかもしれません。

残念ながら、今年は拍手が起こるようなひとは出ませんでした。やはりその年によってバラつきはあります。今回の出場者の中では、小学生の部の一位だった田島美咲さんという方が印象に残っています。音楽性と間の取
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2015年の入賞者

り方の上手さに驚かされた。音に合わせているのではなく、完全に音を遊んでる、余韻が残るというか……。まだ小学生なのに何でこんなに余裕があるのかというくらい、 繋ぎが上手いんです。足の使い方、ポワントの降りる瞬間、オーラ、顔の仕草と、技術に裏付けされた余裕がある。精一杯やっているのとはもうレベルが違います。あとコンテンポラリー部門で一位になった小澤早嬉さんもすごく良かったですね。金井桃枝先生の門下生で、彼女は文部科学大臣賞を取っています。

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