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壺中天公演 塩谷智司『太陽』インタビュー!

大駱駝艦の拠点・壺中天(こちゅうてん)で振付作『太陽』を発表する塩谷智司さん。前作『父壁』は舞踊批評家協会新人賞を受賞するなど大きな評価を博し、待望の新作に期待と注目が集まります。ここでは、上演を控えた塩谷さんにインタビュー。作品への想いをお聞きしました。

小野寺 悦子

執筆者:小野寺 悦子

バレエガイド


この2月、待望の新作『太陽』を発表する塩谷さん。壺中天で自作を披露するのは『父壁』に続き二作目ですね。

塩谷>作品をつくるのは2009年の『父壁』以来です。前回初めて作品を手がけて、ゼロからつくるのって本当に大変なんだなと実感したので、しばらくはそういう欲求が湧かなかったというのもありました。他のひとがつくるのを見てるとパパッとやってるように感じるけれど、いざ自分がやるとなると本当に難しくて。イメージしているものを実際にやろうとすると全然違ったり、頭で考えていることを具現化するのって難しいんだなとしみじみ思いました。

『父壁』は最初の作品ということもあり、自分のルーツが作品のテーマになっています。『父壁』とは父親と刑務所の壁の意味。父が刑務官をしていたので、刑務所の脇にある刑務所官舎で育ちました。川越少年刑務所です。小さい頃から刑務所の壁が身近にあって、自分の中の原風景になっている。そこから父親と壁をモチーフに作品をつくっていきました。

テーマが自分の父親ということもあったし、原風景が刑務所の壁というのも特殊だろうし、僕にしかわからない世界にどんどんいってしまった。すごく私的な内容だったということもあって、観ているひとや一緒にやってるひとたちも共感を持ちにくいのではと思ったり、そういう意味での難しさもありました。

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「父壁」(2009) 撮影:松田純一


『父壁』は第41回舞踊批評家協会新人賞を受賞するなど高い評価を得ました。それだけに、今回の新作はより大きな注目が集まりそうです。

塩谷>賞をもらえるなんて全く予想もしていなかったので、すごくびっくりしましたね。内容が非常に私的なものだったので、そうなんだ、共感していただけたんだと、喜びよりも驚きの方が大きくて……。それにみんなの意見をいろいろ聞きながらつくっていったので、僕だけの力ではなかったと思います。

賞をもらったことで、“二作目も楽しみにしてるよ”など、いろいろ声をかけてくださる方もいました。でも結局のところ自分のやりたいことを好きにやっているので、僕的には気負うようなところはないというか。多少感じる部分はあっても、なるべく気にしないようにしています(笑)。

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「父壁」(2009) 撮影:松田純一



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