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北欧レトロなフロアランプを修復してみた1 解体と洗い(3ページ目)

【石川 尚の気になるデザイン】シリーズ。70~80年前の北欧レトロデザインのフロアランプ。行きがかり上、筆者自身がすることになった照明器具の修復作業。修理でなく、修復します。さて、どのような結果になるのか?・・お楽しみあれ!

石川 尚

執筆者:石川 尚

ファニチャーガイド

経年変化を保ちながらきれいに「洗い」する

「洗い」とは、字のごとく、洗ってきれいにすること。

配線コードが真っ白になるのにシェードや支柱などランプを構成するパーツが汚れた(いや、失礼)ままではなんとも様にならない。経年変化の「味」は残しつつきれいに出来るところはきれいに!そして「モノへの感謝」の気持ちで洗います。

まずは、シェード。

すす汚れたシェードの内側

すす汚れたシェードの内側 ●クリックすると拡大増す


内側の光源付近は黒く煤けていましたので洗剤とスポンジとブラシで洗います。
最初は、洗剤(アルカリ性)+スポンジ洗い。 

洗剤+スポンジ洗いundefined

洗剤+スポンジ洗い ●クリックすると拡大します


次にブラシ、この場合使わなくなった歯ブラシが、細かい所迄届いていいですね。
洗剤+ブラシ洗い

洗剤+ブラシ洗い ●クリックすると拡大します


多少の黒ずみは残りますが、結構きれいになります。外側も洗剤+スポンジスポンジで汚れ落としします。

同様に支柱やベースも、です。

次に木製の自在鉤。水洗い後にブラシで擦れば汚れは落ちます。どうしても落ちない汚れは薄めた洗剤(アルカリ性)をブラシにつけて擦ります。

水洗いする木製の自在undefined

水洗いする木製の自在鉤 ●クリックすると拡大します


乾かして水分をきったらワックス(蜜蝋)で仕上げます。
しっとりとした木の風合いが出てきました。

ワックスがけする自在

ワックスがけする自在鉤 ●クリックすると拡大します


仕上がった自在鉤

 


オリジナルの汚れを落とし、きれいとなった自在鉤を見比べてください。
きれいになりました。洗い前(上)、洗い後(下)です。

s8

 

s9

 

こうして「洗い」作業をやっていると、詳細の納まり、フォルム、素材の組合せなどディテールデザインの勉強になるんですよ。

「洗い」は、これで終了。次は、配線と組立です。


最後に、ここであえて【修復】とい言葉をつかう理由を述べておきます。

・修理は「壊れて使えないものを直して、元通り使えるようにする」
・修繕は「壊れたままでも使うには使える(機能は低下しているが使用不能ではない程度)ものの機能をある程度回復させる」
・修復は「壊れた部分を元通りの状態に再現する」

極力当時つくられた状態に戻す、つまり元通りに再現することを意識してやっています。
だから、【修復】です。

修復の響き、美術品に聞こえてきます。もちろん、当時のデザインポリシーやディテールに触れ勉強になるから気分いいんですよ。

続きをお楽しみに!

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■ 今回の関連リンク

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【映画】ストックホルムでワルツを
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