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石井かほる出演『ダンス・アーカイヴ in JAPAN』(7ページ目)

日本洋舞史の100年を振り返る『ダンス・アーカイヴ in JAPAN』。第二回開催を迎える今回は、昭和初期を中心に初演された6作品を上演し、過去から未来へとアーカイブを繋ぎます。ここでは、出演および作品監修を手がける石井かほるさんにインタビュー。公演への想いをお聞きしました。

小野寺 悦子

執筆者:小野寺 悦子

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今の若いダンサーに欠けているものは何だと思われますか?

石井>今の時代は情報過多ですね。情報がありすぎるから、自分が本当に欲しくはないのにそれを与えられる。ベルトコンベアーみたいに情報が流れてるから、自分が本当に何を欲しているのか尋ねることがないし、立ち止まって考えることが少なくなりつつあるのではないでしょうか。街を歩いていても、ぶつかってくるひとがすごく多い。目を開いてるのにぶつかってくるひとがいる。身体感覚がなくなってきている、自分の身体を操縦できなくなりつつあるように感じます。

少し立ち止まりましょうと、立ち止まる運動をしなければと思う。私たちが立ち止まるきっかけをつくらなければいけない。そういう意味でも『ダンス・アーカイヴ in JAPAN』は、自分の先達たち、過去を振り返ってみるすごく良いチャンスだと思います。私のような漠先生の薫陶を受けている人間でもそう感じるのだから、流れ作業の中にいて、ダンスをやってますといってただひたすら身体を酷使しているひとはなおさらです。

自分が何を感じて踊っているのか。今自分が何に怒っているのか、何に喜んでいるのか、何をおいしいと思っているのか。そういうことを考えないで、情報の中で生きている。立ち止まることが大事だとは思うけど、でも流されますよね。実際立ち止まると、流されそうになる。辛抱強く立ち止まって、過去から自分の未来までを俯瞰して見る。そういう感覚が欠けているような気がします。

ph

 



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