その2. 「ない」より「ある」に注目する
視点を変えれば、たくさんのものをもらっていることに気づく
そこに注目していると、相手の悪いところしか目につかなくなってしまいます。すると、普段の生活の中でも「お金が“ない”」「部屋数が“ない”」など、同じように「ない部分」ばかりが気になり、結婚生活が楽しくなくなってしまうでしょう。
「ない部分」を数える前に、意識してパートナーの「ある部分」に注目しましょう。「稼ぎの多く“ない”夫」は、だからこそ「マイルドな夫」でいてくれるかもしれませんし、「気が利か“ない”妻」はだからこそ「大らかな妻」でいてくれるのかもしれません。「手伝ってくれ“ない”夫」はその分「仕事を頑張ってくれる夫」なのかもしれませんし、「かわいげの“ない”妻」は「頼りがいのある妻」といえるかもしれません。このように「ある部分」に注目すれば、相手の短所が長所に変わります。
ちなみに、私も「ある部分」を意識したら、夫への印象が180度変わりました。「“何もしてくれない”と思っていた夫に、実は“結婚生活=心の安心”といういちばん大切なものを毎日もらっていた!」とふと気づいたときに、心の中から「ありがとう」という言葉が湧き出てきたのです。
相手に対する印象も、考え方一つです。意識して「ない部分」ではなく「ある部分」を見るようにしていきましょう。
その3. 「評価の目」を家庭に持ち込まない
「(勉強や仕事が)デキる、デキない」「かわいい、かわいくない」「明るい、暗い」「(自慢できるものを)持っている、持っていない」というように、人は何かと「評価の目」で他者を見てしまうものです。同じ目でパートナーを見ると、相手への見方が厳しくなりますし、「相手からも同じ目で見られているのではないか」というプレッシャーも感じるようになってしまいます。
社会のなかでは、こうした評価の目にさらされて生きねばならないものですが、けっして同じ目線を家庭の中に向けないことです。仕事や人間関係の中で常に評価されて生きているパートナーには、なおのことです。家族は、他者には替えられない唯一無二の存在です。お互いを評価せず、「そのままのその人が大切」と思えること、思ってもらえることは家族だからこそなのです。
(1)「同じ」を求めず「違い」を認める、(2)「ない」より「ある」に注目する、(3)「評価の目」を家庭に持ち込まない――この3つの視点を持ってパートナーに接すれば、相手への態度がやわらかいものに変わります。すると、パートナーの態度にも変化が現れ、「やさしい関係」が築かれていくでしょう。