そして当然ロックの名曲を取り上げ、名ジャズになっているものも多くあります。今回はその中から、ロックテイストを活かしつつ、ジャズに変わった名演ベスト3をご紹介します。まずは、第3位から!
第3位 フォックス・キャプチャー・プラン「トリニティ」より「ワンダーウォール」(オアシス)
2014年のジャズ売上ベスト5でも取りあげた「フォックス・キャプチャー・プラン(fox capture plan)」。日本の新世代ジャズ・ロック・ピアノトリオと言ってよい彼らです。
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そのヴォーカル曲をフォックス・キャプチャー・プランは、原曲のイメージを損なわず彼らのジャズとして展開していきます。
本来ギターのイントロをピアノが雰囲気そのままに奏でます。そのまま続いてテーマもピアノ。ベースやドラムは、グルーヴしながらもクールなサウンドが印象的。そしてこの曲の聴かせどころ、サビの部分(中間部分)での、特徴的なメロディとコードの動き(G、D、Em7、D、Aadd9)もそのままピアノで聴かせてくれます。
演奏は、クールなままに四分弱でさらりと終わってしまい、物足りなさが残ります。でもそれが、もっと聴きたいという思いにさせ、何回でも聴かせてしまうという不思議な効果を生んでいます。
彼らの「ワンダーウォール」はライブで聴く機会があり、その時は、ライブらしく熱っぽい演奏で、また違った興奮がありました。前の方に陣取ったファンが、縦に動きながら踊っていたのがとても印象的でした。
ロックからの影響をジャズテイストで聴かせる彼らのような方向性は、今後のジャズの行くべき一面であるのは間違いがないようです。
次のページでは、長年にわたってイギリスを代表するロック・バンドの名曲の登場です!