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ロックの名曲をジャズで演奏した名演3選(2ページ目)

ロックの始まりは、1950年代のアメリカ。「ロックン・ロール」がその起源とされています。120年の歴史を誇るジャズにも、活力にあふれるロックからの影響を受けた「ジャズ・ロック」や「フュージョン」などのジャンルがあります。今回は、ロックの名曲をジャズ・アレンジで聴かせる名演ベスト3をご紹介します。

大須賀 進

執筆者:大須賀 進

ジャズガイド

 

第2位 ティム・ライズ「ザ・ローリング・ストーンズ・プロジェクト」より「ワイルド・ホーシズ」(ザ・ローリング・ストーンズ)

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この「ザ・ローリング・ストーンズ・プロジェクト」というアルバムは、サックス奏者のティム・ライズによるその名の通りイギリスを代表するロック・バンド「ザ・ローリング・ストーンズ」を取り上げたものです。

ザ・ローリング・ストーンズの名曲をジャズテイストで、というコンセプトは、正直、曲によっては今ひとつかみ合っていない部分も感じさせますが、この後に続編も出た人気シリーズとなっています。

その第一弾「ザ・ローリング・ストーンズ・プロジェクト」では、何と言っても「ワイルド・ホーシズ」が聴きもの。それは、ひとえに現在アメリカ随一のジャズ・カントリー歌手「ノラ・ジョーンズ」の参加によるところが大きいでしょう。
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このワイルド・ホーシズは、1971年のストーンズのアルバム「スティッキー・フィンガーズ」よりの名曲。
  この曲の持つカントリー・ロックぽい曲調がノラにピッタリです。これしかないというさすがの選曲のうまさで、まるでストーンズ・カラーのこの曲がノラの曲のように聴こえます。

演奏は、珍しいハープによるイントロからティムのソプラノが入ります。その牧歌的でメルヘンチックな雰囲気をがらりと変えるのが、ノラのヴォイス。その後は存在感のあるヴォイスとハープの絡みが見事。決して幸せではない女性を歌うこの曲の世界にあっという間に引き込まれてしまいます。

曲中のティムによるソプラノ・サックスソロもグッド。曲の流れのイメージを保ったまま、エンディングへと向かいます。

他の曲では一曲目の「サティスファクション」も面白い演奏です。ミック・ジャガーのシャウトによる歌の部分を、テナー・サックスでそのまま吹いていて、原曲にはない可笑しさを引き出しています。

この自由解釈もジャズの持つ柔軟性と言えるのかもしれません。

次のページではいよいよ第1位!誰もが知っている世界一有名なバンドの登場です!
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