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ヒット連発の3DSを蝕む売り上げの両極化(3ページ目)

任天堂は2014年12月9日、ニンテンドー3DS(以下3DS)用のゲームソフトにおいて、5か月間の間に4本のダブルミリオンセラーを達成したと発表しました。200万本以上売れたソフトが毎月のように発売されたということですから、3DSが大いに盛り上がっていることが伝わってきます。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

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派手な花火はあがるが、足元はジワジワと蝕まれている

ニンテンドー3DSの図

明るく見えるニュースの陰にかくれて、根の深い問題が育ちつつあります(イラスト 橋本モチチ)

こういった状況は、なにも3DSに限った話ではありません。というより、3DSはそれでもダブルミリオンを立て続けに4本も出しているわけですから、なんだかんだ言ってユーザーがついてきているわけで、まだまだ元気な方です。たくさんの人が3DSで遊んでいるのです。

2014年の他のハードの年末商戦のトップセールスを見てみると、Wii Uは任天堂の「大乱闘スマッシュブラザーズ for WiiU」がかろうじて健闘していますが、それでも現状では約40万本。PS Vitaはセガの「ファンタシースター ノヴァ」が約14万本、PlayStation4(以下PS4)は、テイクツー・インタラクティブ・ジャパンの「グランド・セフト・オートV」が約9万本、Xbox Oneにいたっては、年末商戦向けに投入されたタイトルのどれもが数千本規模で、ほとんど存在感がありません。

PS4やXbox Oneはハードが発売して間もないということも要因としてあるのですが、それでもやっぱり寂しい、中堅がいないどころかハードに勢いをつける大将格が見当たりません。

ですから、3DSは頑張っている方なのです、すごく、すごく頑張っている方なのです。それでも、順風満帆とは言えず、プラットフォームとして非常に難しい状況に立たされています。タイトル数が減っている、中堅タイトルがあまり出ていない、ということは、メーカーが離れていっている、ということでもあります。これは、3DSそのものというよりも、その次のハードで本格的に大きな影響を与えるでしょう。

今はまだ、持ちこたえています。しかし、このままでは、足元から崩れていってしまいそうな、そんな危うさが、3DSに、そして日本のコンシューマーゲーム業界全体に、忍び寄っています。否応なしに変化が求められるその時が、刻々と近づいているように感じます。

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