猫との縁は運命? 猫は自分で飼い主を選ぶ?
猫との縁……その出会い、運命?
わたしは、家のない猫たちに新しい家族を見つけるボランティアをしています。不思議なご縁で年間40~60頭の猫たちが、我が家に一時滞在し、そして本物の家族を見つけて旅立っていきます。
今まで一番長く我が家に居候をしていた子は3年、早い子なら2週間前後でご縁が見つかりますが、実はこのご縁が本当に不思議なんです。今回は実際に経験したキジ兄弟のご縁を紹介しましょう。
猫は自分で飼い主を選ぶのか? 戻ってくるキジ白くん
愛護センターに持ち込まれた、生後3週間くらいのキジの男の子と女の子、そしてキジ白の男の子の三兄弟。段ボールに入れて捨てられていた、まだまだお母さんのミルクが恋しい子ねこたち。我が家で順調に成長し、1ヶ月ほどして最初にキジ白くんにお声がかかり、お見合いをし、双方問題なく新しいご家族の元に送り届けました。キジ君、キジちゃん、キジ白君の三兄弟
しかし、1週間ほどして、「まったくご飯を食べない」「このままでは死んでしまう」「申し訳ないが引き取って欲しい」と連絡が。お渡しするときはあんなに元気だったのに、なぜ? と不安に思いながら引き上げてみると、なんのことはない。ばくばくご飯を食べてほかの猫と元気に遊んでいます。
「ん~~?これはもしや?」
その後すぐ、キジ白くんに再度お見合い話が持ち上がりお届けしました。あれから数年経ちますが、キジ白くんはでっぷり大きくなってとても幸せに暮らしています。
帰宅すると大喜びのキジくん
キジ白くんの後にお申し込みをいただきお見合い後お届けしましたが、これまた数日で「ご飯を食べない」「具合が悪い」「入院させた」と、同じようなやりとりがあり1週間で出戻り。入院するほど体調が悪いと聞いていましたが、帰りの車の中ではにゃぁ~にゃぁ~甘えて、とっても元気な様子。そのままかかりつけの動物病院に連れて行き、診察していただいたが、先生も「えっ?入院してたんですか? どこが悪かったんだろう」と首をかしげるほど。お入院したと聞いて迎えに行った帰り、とっても元気でびっくり!
当の本にゃんは、帰宅すると大喜びでものすごい食欲。ほかの猫たちから「あんた、どこ行ってきたの?」とクンクンニオイ確認攻撃を受けても全然気にせずご機嫌さんなのです。
猫と飼い主との縁は、猫が自分で人を選んでいるのかも
先のキジ白くんといい、このキジくんといい、この子たちはなぜ行った先で具合が悪くなった? または、そう見えたんでしょう?実はこういうケース、時々経験します。ただ同じ兄弟でこんなに短期間に出戻ったのは初めての経験で、笑ってしまいました。
わたしは、猫が自分の家や家族を選ぶと思っています。猫を飼いたいと希望する人は、自分で気に入ってこの子を~と選んでいるつもりかもしれないけれど、実は猫によって選ばされているのです。
そして、双方の意思の疎通がうまくいかないと、このケースのように原因不明の体調不調などを起こし、出戻って本当のご縁に巡り会えるまで待機するのではないかしらと。
結局、キジくんは出戻って三週間後に、キジちゃんと兄弟ペアでというありがたいご縁に巡り会えました。
順調に成長した三兄弟
キジ白くんは最初のお宅になぜかなじめず、キジくんはキジちゃんとペアで迎えて頂けるご家族が待っていることを知っていたかのような出戻り劇。
行ったり来たりで、手はかかったけれど、最終的にはそれぞれ末永く幸せになれるお宅にお届けできてよかったです。
【関連記事】