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スゴイとオシイの間のラシイにDIVE IN(2ページ目)

スクウェア・エニックスが2014年12月3日に開始した、ストリーミングゲームサービス、「DIVE IN」。スマートフォンで「ファイナルファンタジーXIII」などが遊べてしまうということで、ちょっとスゴイサービスです。でも、快適に遊べるかというと、ちょっとオシイところがあるのも事実なんです。スゴイけどちょっとオシイ、しかしそのスゴイとオシイの間に未来が垣間見えます。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

圧倒的大迫力

DIVE INで遊ぶユーザーの図

はじめて遊ぶと、その画面の美しさにちょっとビックリしますよ

DIVE INでゲームを始めると、その迫力に圧倒されます。どのゲームも30分間の体験版がついてくるんですが、もし体験版でその迫力を試してみたいなら、12月11日に配信開始された「FINAL FANTASY XIII-2(以下FF13-2)」が分かりやすいかもしれません。冒頭、主人公のライトニングが馬の姿となった召喚獣オーディンにまたがり、バハムート・カオスというボスキャラと戦います。

暗雲垂れ込み、黒い竜巻の発生する荒廃したイメージのフィールドで、巨大な翼を広げて追いかけてくるバハムート・カオス、馬で駆けながら雷を放つ「雷光斬」で応戦するライトニング、戦闘が進むとイベントシーンが挟まり、ダイナミックに変化するアングル。

FF13-2と言えば、一世代前とはいえ据え置きゲームハードであるPlayStation3における大作ソフト。当たり前ではありますが、大迫力、圧倒的画面の密度、美しいキャラの造形、いわゆるスマートフォンのゲームアプリと言われて多くの人が想像するものとは、まるで次元が違います。

おそらく、始めて体験したほとんどの人が、これはちょっとすごいんじゃないか、と思うんじゃないでしょうか。しかもこれ、多少のロード時間こそあるものの、ほとんど待たずにゲームが始まりますからね。FF13-2クラスのゲームをまるごとスマートフォンにダウンロードしたら時間はかかるし容量は食うしで大変でしょうけど、そんなことは関係ないのです、まさに、ストリーミングという感じ。

フィールド移動が「もたつく」

デュアルショック3の図

フィールド操作がやりやすいかは、カメラアングルなんかでも大分感覚が違いますが、どうしてももたつくと感じる場面はあります

一方で、問題なのはゲームを快適に遊べるか、という部分です。

DIVE INでは、ゲーム画面に被せるように、白いラインでバーチャルボタンを配置して、これを押して操作します。今配信されているものは、コントローラーを握って遊ぶように設計されているゲームですから、バーチャルボタンで遊ぶ時点で、やや遊びにくいことは否めません。必要な情報に指が被って見にくくなることもあります。

それでも、例えば先ほどのFF13-2 を遊ぶ時に、戦闘シーンはほとんど問題がありません。コマンドを選んで決定する、というような操作は問題ないんですね。遅延もあまり感じられません。

しかし、全ての操作が快適かと言われれば、そうは言えません。例えば、フィールド移動になると、あまり具合がよくありません。アナログスティックの代わりに配置された四角いスペースをスワイプして移動するんですが、これが初めてやると、もたつくんですね。敵の出現などでとっさに動こうと思っても、自分の思ったタイミングと角度から微妙にずれたりします。プレイできない、と言うほどではありません。もたつく、という感じ。

左手の親指でキャラを移動しつつ、右手の親指をスワイプさせて視点移動、なんてやろうとするとちょっと難しいことになります。

ゲームができるのか、できないのか、という話でいうとできるんですが、ゲームというものは娯楽ですから、楽しくないといけません。動かしてて楽しい、というのはゲームの大きな魅力です。そういう意味では、もたつくことによって、動かすのがあまり楽しくありません。

据え置きハードの大作が遊べるのは文句なしにスゴイんですが、操作部分が快適とは言えずどうしてもオシイ、しかし、未来は感じます。
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