さて、では1日の家事は、3~4時間あればすべて済むのでしょうか。もしそうであるなら、睡眠時間6時間程度を除いた15時間は、自由時間として使えるはずです。それなのになぜ、多くの人が「自分の時間がない」と嘆いているのでしょう。
「頭が家事をする時間」がある
目に入るだけで、頭が家事を始めることがありませんか?
でも、実際に家事を続けてきた人ならわかるはずです。家事には、実際に体を動かしている時間のほかに、「頭が家事をしている」時間が存在するのです。私はこれを、家事のインナータイムと呼んでいます。たとえばこんな時間です。
- シンクに溜まっていくお皿を目にして、早く洗わなくちゃと考える
- ソファの上に山積みになった洗濯物を見て、早くたたまなくちゃと考える
- たまっていく埃を見て、そうじきをかけなくちゃと考える
- 明日来客があるから片付けなくちゃ! とあせる
- 子どもの弁当を作るのに明日は5時起きしなくちゃ、と考えて眠りにつく
- そろそろ衣替えをしなくちゃいけないけど、クロゼットの収納もなんとかしないと……なんてことを考える
「時短」のアイデアをあれこれ試して、家事そのものの時間を短縮できたとしても、家事のインナータイムを短縮して、そこから自由になれなければ、気持ちのゆとり感は生まれません。時短を考える際に、一番大事なのはここだと私は思っています。つまり
“家事のインナータイムを軽減して、気持ちの切り替えをはかる”
ことが、家事の時短発想ではとても大切なことなのです。