たっぷり書き続けられる便箋
普段、手紙を書かない「超」が付くくらい筆無精な私でも、手紙の敷居を下げてくれた「一筆箋」。文字通り一筆という一言しか書けない小さな紙面のおかげで、気軽に書くことができるようになった。最近では、すっかりその一筆箋を使い慣れてきて、たまに一筆箋の紙面では書ききれないという事態に陥ってしまうこともあったりする。そんな時に、これは助かる。
創業から200年を超える紙製品の老舗・榛原(はいばら)
創業1806年ということなので、かるく200年を超える歴史を持つ榛原(はいばら)。和紙を中心に様々な紙製品を作り続けている。その歴史の長さから、こちらも敷居の高さを感じてしまうが、日本橋のお店を訪ねてみると、ポップという表現が適切かどうか分からないが、私くらいの年代でも気軽に使えるものが結構色々と揃っていた。
その榛原プロダクトの中で、今回注目したのが「蛇腹便箋シリーズ」だ。
シリーズと銘打っているだけあり、色々な柄のものも揃っている。紙面のサイズとしては、一筆箋と同じくらいだ。しかし、その厚みがものすごい。一筆箋を4~5冊くらい束ねたくらいもある。一番上の紙をつまみ、持ち上げると、蛇腹状に繋がっているのだ。この便箋がユニークなのは、その折り目のひとつひとつにミシン目が入っているところ。
たとえば、ひとつの折り目の分だけ書き、切り取れば一筆箋となり、数枚書けば便箋になる。
この蛇腹便箋を使う上で、ひとつ注意すべきは縦書きをすることが想定されていること。
ふだん、私は原稿用紙に書くときも、一筆箋でも横書きを基本としている。それは、学生時代からノートで横書きばかりをしてきたからだ。この蛇腹便箋では、その横書きがちょっとしづらい。というのも、紙が蛇腹状につながっているので横書きをしようとすると、できなくはないが、便箋の束を抱え込むようにしなくてはならなくなる。
縦書きであれば、スムーズに書き進めることができる。左側に蛇腹便箋の束をドサリと置き、一番上の紙をつまみハラハラと広げ書いていく。さながら、巻物で書いているような気分がしてくる。
罫線の幅は1.2cmとゆったりとしているので、太めの万年筆でもおおらかに書いていける
一枚、二枚と書き進み、書き終わったところで便箋を切り離す。ピリピリと気持ちよく切れていく。予め折り目が付いているので、封筒の中に入れる時も楽におこなえる。
もちろん、書く分量が予め決まっていれば、その分だけ便箋を切っておけば、横書きスタイルでもOKだ。
いまだに、B5サイズの便箋を目の前にすると、どう書いていいかわからず緊張してしまうが、この蛇腹便箋なら一筆で終わってもいいという点で、取り組みやすさがある。なにより、450枚綴りもあって、540円というのは、一筆箋の中でもかなりリーズナブルだ。
一筆箋、時々便箋という使い方の私にはピッタリである。
450枚の一筆箋と考えると、540円はかなりお得だ
*関連リンク
□ はいばら
□ 蛇腹便箋 罫線のみ 青罫