驚きの乗り味
今さらの感はあるが、サーキット(富士スピードウェイ)での外周路で味見程度だったスバルWRX S4に一般道でじっくり乗る機会があったのでご報告したい。
試乗したのは「2.0GT EyeSight」で発売約1か月時点での比率では、約25%。当初は売れ筋の「2.0GT-S EyeSight」を借用する予定だったが、試乗車の都合で急きょベース車になった。
両者の大きな違いは、フロントに装着されるビルシュタイン製ダンパーの有無が大きく、トランクリップスポイラーも「2.0GT-S EyeSight」に標準で、「2.0GT EyeSight」はオプション。
いわゆる「ビル足」なしの仕様だったが、富士スピードウェイの外周路(路面は良好)での試乗とは印象が異なり、一般道ではかなり乗り心地は硬く、路面が悪いと上下、左右、斜めに盛大に揺すられる。ひと昔前ならまだしも、スバリスト以外のお客さんを呼び込むには硬派なスポーツセダンとはいえ、少しやり過ぎの感も否めない。
WRX STIはともかく、S4は「WRX」の裾野を広げるよりポピュラーなモデルの位置付け、のはずでコンセプトと実際の走りの違いには少々面を食らうかもしれない。
WRX S4はスバルらしさを存分に味わえる
しかも、サイドシルの形状は、乗降時のふくらはぎのスペースを確保しやすい形状にするなど、乗降性に配慮しているそうだが、それなりに大きくまたぐ感覚で、小さな子どもがいるファミリーユースにはさすがに最適とはいいがたい。要は商品企画では裾野拡大を狙っているように思わせながらも、ハードな乗り味からいってもエンジニアリング主導のクルマ作りは変わっていなく、スバルらしさはいい意味でも悪い意味でも健在ということだろう。
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