「卵城」はナポリで最も古い城塞!
ナポリのサンタルチア地区にある卵城 (c)Ewa Kawamura
ナポリ観光の王道中の王道といえば、やはり民謡「サンタルチア(Santa Lucia)」で知られるサンタルチア地区の海に浮かぶ美しい要塞「卵城(Castel dell'Ovo)」でしょう。その奇妙な名前の由来は、古代ローマの詩人ヴェルギリウスが書き残した古い伝説から。城の基礎の中に「卵」が置かれていて、それが割れたとき、ナポリの町も終わりを遂げるというものです。しかし古代ローマ時代、ここは「メガリデの小島(Isolotto di Megaride)」と呼ばれ、ローマの軍人ルクッルスの別荘が建っていました。
城塞がここに築かれたのは中世、10世紀のことでした。ナポリを建都したという伝説の人魚セイレーン「パルテノペ(Partenope)」が埋葬されたのもこの小島。それに因み、卵城の目の前を走る高級ホテルの林立する大通りは、「パルテノペ通り」と命名されました。ここは、19世紀末から20世紀初頭にかけて海を埋め立てて造営されたので、そのせいで「サンタルチア通り」は、海に面していない通りになってしまいます。それまでは、「サンタルチア通り」が海に面していて、眺めが良かったので、民謡でうたわれたのでした。
卵城の横には、レストラン街「ボルゴ・マリナーリ(漁師村)」も
夕暮れ時の卵城、左手にあるのはレストラン街「漁師村(ボルゴ・マリナーリ)」 (c)Ewa Kawamura
現代版「サンタルチア」といえば、卵城の横にある魚介レストラン街となった漁師村「ボルゴ・マリナーリ(Borgo Marinari)」でしょう。ここと、橋を渡る手前には、老舗の有名店も多く、ナポリ観光の古典ともいえるレストランが軒を連ねています。卵城には、エレベーターで簡単に行かれる要塞の上の絶景テラスがあり、帰りは徒歩で古城の舗石の坂道を下ってゆくとよいでしょう。なお卵城では毎年、新年にニューイヤーの花火大会が開催されています。パルテノペ通りのホテル(サンタルチア、ヴェスヴィオ、コンティネンタル、ロイヤル)の海側の部屋に宿泊すれば、その素晴らしい大スペクタクルを、人ごみに揉まれることなく優雅に堪能できます! そんな年一度だけの贅沢な卵城の楽しみ方も素敵ですよね!
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■Castel dell'Ovo(卵城)
住所:Via Eldorado, 3, 80132 Napoli
TEL:+39081 795 4593
営業時間:8:00-19:00(月~金)、8:00~14:00 (土・日・祝)
入場料:無料(定期的に企画展が行われている)